食品安全情報blog過去記事

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栄養目的で食品サプリメントに添加されるセレン源としてのL-セレノメチオニン

L-selenomethionine as a source of selenium added for nutritional purposes to food supplements
1 July 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211902646511.htm
L-セレノメチオニンメチオニンのイオウ分子がセレンに置換したセレノアミノ酸の一種で、天然に食品中に含まれ食事由来のセレンの少なくとも半分に寄与すると考えられている。L-セレノメチオニンは消化管から速やかに吸収され、セレンの生物学的利用度は無機セレンより1.5-2.0倍高い。吸収されたL-セレノメチオニン半減期は252日と無機亜セレン酸塩の102日より長く、長期間体内プールに存続することを示す。
セレン化合物には急性及び慢性毒性があり、遺伝毒性や発がん性試験データはない。ヒトでのセレン中毒の報告はある。
最近サプリメントとしてセレン200 microg/日を与えたSELECT研究において、セレン投与による脱毛症と皮膚炎の僅かな増加と統計学的有意差はないが糖尿病の増加が報告されている。
SCFは先にセレンの上限摂取量を300 microg/日と設定している。
申請者はサプリメントとして100-400microg/日のセレン相当量を使用するとしており、ヨーロッパ人の食事からのセレン摂取量平均24-89 microg/日を考慮すると1日100 microgのセレン(L-セレノメチオニンでは250 microg)添加は上限摂取量を超えない。
しかしながら現在のセレン化合物のデータベースとSELECT研究のデータなどから、セレンの上限摂取量には再検討が必要であると考える。