食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールA

Bisphenol A
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/securit/packag-emball/bpa/index-eng.php

Survey of Bisphenol A in Baby Food Products Prepackaged in Glass Jars with Metal Lids
July, 2009
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/pubs/securit/bpa_survey-enquete-eng.php
2008年8月にオタワの小売店で購入した6社7ブランド122製品を検査した。122のうち23製品については阻害物質による干渉があるため定量できなかった。定量できた99製品のBPA濃度は全体的に低かった。15%は平均検出限界(0.18 ng/g)以下で70%は1.0 ng/g以下であった。全ての製品の平均濃度は0.95 ng/gであった。製品による濃度の差(0.19―7.22 ng/g)は金属のフタのコーティングや殺菌条件などによると考えられる。
この結果はカナダで販売されている瓶入りベビーフード製品のBPA濃度は低く、ベビーフードを食べることによるBPA暴露は極めて少ないことを明確に示す。このことはヘルスカナダの先の評価結果、現行の食品包装からのBPA食事暴露は消費者にとって健康リスクとはならないという結論を確認するものである。
以下商品名を明記した上での結果。

Survey of Bisphenol A in Canned Powdered Infant Formula Products
July, 2009
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/pubs/securit/bpa_survey-enquete-pow-pou-eng.php
6社11ブランド38製品を調査した。31製品は牛乳ベース、7製品は投入ベースである。
測定法の平均検出限界は0.13 ng/gで、どの製品からもビスフェノールAは検出されなかった。
以下商品名を明記した上での結果。

Survey of Bisphenol A in Bottled Water Products
July, 2009
http://www.hc-sc.gc.ca/fn-an/securit/packag-emball/bpa/bpa_survey-enquete-bot-bou-eng.php
2008年4月にオタワの小売店で購入した16社21ブランドの54の水製品を調査した。水の種類はわき水、ミネラルウォーター、風味付き、炭酸有無など多様で、容器はガラス、金属、高密度ポリエチレンHDPE)、ポリエチレンテレフタル酸(PETE)、ポリカーボネートであった。
ポリカーボネート以外の容器に入っている水製品51検体のBPA濃度は全て検出限界(0.5 μg/L)以下であった。ポリカーボネートボトルに入っていた水の17検体中13検体からBPAが検出され、濃度は0.50-8.82μg/Lで平均は1.5μg/Lであった。BPA濃度が高かった製品は輸送や貯蔵時に日光下だったなどの熱に曝されていた可能性がある。
ヘルスカナダの設定したTDIは25 μg/kg 体重/日である。ポリカーボネートボトルに入っていた水製品の平均濃度1.5 g/Lの水を60kgの成人が飲むとして、TDIに達するには約1000L飲まなければならない。平均1.5Lの水をポリカーボネートボトルから飲むとすると、それによるBPA暴露量の増加は0.18 から 0.22 μg/kg体重であろう。
この調査結果は瓶入り水を飲むことによるBPA暴露は極めて低いことを明確に示す。この結果はヘルスカナダの先の評価結果、現行の食品包装からのBPA食事暴露は消費者にとって健康リスクとはならないという結論を確認するものである。
以下商品名を明記した上での結果。