食品安全情報blog過去記事

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カドミウム:食品安全上の新しい課題か?

Cadmium: New challenge for food safety?
15.07.2009
http://www.bfr.bund.de/cd/30246
カドミウムは健康に悪影響を与える可能性があるため食品中に存在するのは望ましいことではない。2009年1月にEFSAがカドミウムの新しいガイドライン値を設定した。新しい値はこれまでWHOが暫定的に定めていたPTWI 7 microg/kg体重より遙かに低い2.5 microg/kg体重である。EFSAは、ヨーロッパ全域の摂取量推定では通常の食生活の消費者は新しい耐容摂取量より少し低いとしているが、 一部の地方や集団ではもっと多く摂っている。特に穀物や野菜の摂取量が多い集団ではこの値を上回る。BfRが開催したセミナー「カドミウム:食品安全上の新しい課題か?」ではこの問題について科学者・政治家・食品や飼料企業・消費者団体の代表者が議論を行った。土壌や肥料から人間の食品になるまでのカドミウムの経路を追跡した。
BfRのAndreas Hensel長官は「我々はフードチェーンの全てのレベルでカドミウムの削減のための努力が必要であると信じる」と述べている。「現時点で消費者にリスクがないとしても、カドミウムが食品中に望ましいものではないことに変わりはなく、従って流入源は阻止すべきである。」
最新のMax Rubner Instituteによるドイツ人の食物摂取量調査に基づき平均的消費者の暴露量を推定するとEFSAにより設定されたTWIの約58%となる。特定の食習慣(野菜や穀物を多く食べる)の集団などでは摂取量が多く、最大TWIの94%となる。
高摂取集団においても食習慣を変更するよう助言はしないが、食品中のカドミウム濃度を下げるためのヨーロッパ全域における関係者の協力による削減戦略が必要である。