食品安全情報blog過去記事

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カロリー計算が合わないとき

When calorie counting doesn't add up
Andrew Wadge
July 22nd 2009
http://www.fsascience.net/2009/07/22/when_calorie_counting_doesnt_add_up
カロリー表示が精密でないことを指摘した今週号のNew Scientistの記事を面白く読んだ。基本的に、食品の複雑さやテクスチャーが我々の吸収するエネルギー量に影響するので、全てのカロリーが等しいわけではない。私が面白いと 思ったのは、カロリー表示について再検討したり、消費者にさらに詳細な科学 的情報を提供する必要があるかどうかということとの関係である。このことは
消費者にしっかりした科学的根拠に基づく助言を提供することが仕事である 我々にとって、関心がありかつ困難な課題である。消費者は本当に豚肉に入っているかもしれないダイオキシンの毒性について知りたいのか、あるいは独立した専門家による慎重な吟味の結果に基づいたFSAの豚肉は食べてもいいという助言を再確認したいのか?同様に、こどもを連れてスーパーマーケットに行ったようなときに適切な栄養表示はどのようなものか?
私の見解は、我々に必要なのは興味を持った人には我々の専門委員会がどのようにして結論を導き出したかを知ることができる透明性を確保することであるというものである。しかしスーパーで子どもの世話に忙しいお母さんやお父さんにとっては、健康的な選択に役立つ単純な包装表面への表示が最良の選択肢であろう−ただしそれは最良の科学的根拠に基づくべきである。この件については最新の消費者研究をもとに包装前面への表示方法について意見募集をするので是非あなたの考えを知らせて欲しい。
追伸
私はNew Scientistのエディトリアルが主張している「あなたと環境にとって最良の食品はスローで新鮮で地元産の製品である」ということの根拠を知りたい。私はスローというのが何を意味するのか知らないが、新鮮と地元産というのは栄養価においても温室効果ガス排出についても誤解を招くものだと思う。(注・英国では寒冷地の温室育ちの「地元産」トマトより温暖な南の国から輸入したトマトの方が環境負荷が低いというニュースが話題になったことがある)
野菜や果物をたくさん含み、肉や乳製品を食べ過ぎないということを強調した方がはるかに良い。



New Scientistの記事
The calorie delusion: Why food labels are wrong
http://www.newscientist.com/article/mg20327171.200-the-calorie-delusion-why-food-labels-are-wrong.html
食品のカロリー表示が実際の吸収エネルギーと最大25%も上下に幅があることを批判している。カロリーの計算方法は食品を燃やして熱として放出されるエネルギーを測定しているが食品によっては人体が消化できない部分もある。調理によっても異なる。

エディトリアル
The burning truth about calories
http://www.newscientist.com/article/mg20327173.300-the-burning-truth-about-calories.html
消費者は散々混乱させられていて表示なんか信頼していないというような話をしたあと、「あなたと環境にとってベストの食品はスローでフレッシュで地元産のものである。つまり表示なんか全くない種類の食品である。」と言っている。

(完全でないから全否定、という・・。カロリーや栄養表示は目安であって細かい数字の違いにこだわるのはおかしいのに。大人なら、適正体重より増えたら食べ過ぎだし減ったら足りない、でわかるだろうに。)