食品安全情報blog過去記事

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害虫を殺す線虫を引き付けるGM作物

Natureニュース
GM crop lures pest killers
Mico Tatalovic
3 August 2009
http://www.nature.com/news/2009/090803/full/news.2009.761.html
研究者らは昆虫を殺す線虫を誘引する化学物質を放出することで害虫と闘う遺伝子組換えトウモロコシを作った。この方法は野外試験で有効性が確認された。この方法は合成農薬を使わないため生態系への悪影響や害虫の耐性獲得による有効性消失という問題を避けることができる。
ヨーロッパとアメリカの共同チームが(E)-β-caryophylleneを作り出すトウモロコシを作った。この物質を作る遺伝子は多くのトウモロコシに既にあるが、商用品種の多くで発現力が失われている。そこでオレガノ由来(E)-β-caryophyllene合成酵素遺伝子を挿入した。野外試験では通常トウモロコシと組換えトウモロコシを混在させたところにウエスタンコーンルートワームを感染させ約60万匹の線虫を蒔いた。組換えトウモロコシではルートワームの幼虫 による根の損傷が少なく成虫の数も60%少なかった。
J rg Degenhardt et al.
Restoring a maize root signal that attracts insect-killing nematodes to control a major pest
Published online before print August 3, 2009, doi: 10.1073/pnas.0906365106