食品安全情報blog過去記事

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FSAのオーガニック食品研究への批判

Sense about Science
Criticisms on FSA organic food study, Daily Mail, 31st July 2009
http://www.senseaboutscience.org.uk/index.php/site/other/384
Joanna BlythmanのDaily Mailの記事「あなたのオーガニック食品への信頼を損なおうとする恐ろしい陰謀」で、FSAの最近の研究を批判している。彼女はFSAが一部の研究を無視し、オーガニックでない食品に含まれる農薬ががんを促進するということが無視されていると主張している。ここに二人の科学者がその主張を否定する。
Professor Alan Boobis OBE:
この記事では農薬は土壌への毒で野生動物を傷つけるばかりでなくがんを促進し各種の病気を促進すると主張している。虫を殺せるものがヒトに悪いのは常識だという。
英国で販売されている食品を食べることによってがんが増加するという根拠はない。動物に大量に与えた場合にがんができたとしてもヒトが食べる量とは違いあてはまらない。さらに虫を殺すメカニズムと発がん性には生物学的関連はない。
Professor Joseph D Rosen:
彼女はFSAの研究よりずっと素晴らしい、オーガニック食品の方が抗酸化物質が40%も多いという研究が無視されていると主張している。これはQLIFプロジェクトの研究を指すと思われるが、この研究はピアレビューのある雑誌に発表されていない。FSAの研究はQLIFプロジェクトを無視したのではなく、基準に満たなかっただけである。

問題の記事
http://www.dailymail.co.uk/debate/article-1203343/JOANNA-BLYTHMAN-A-cancerous-conspiracy-poison-faith-organic-food.html
写真がいかにも意図的。金網の中で豚を飼ったりしないだろうに。
コメントもたくさんついている。
今や巨大産業となったオーガニック産業が人々を洗脳し科学から遠ざけた結果であるというコメントもついている。