食品安全情報blog過去記事

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葉酸についての議論続く

Behind the headlines
Folic acid debate continues
Tuesday August 18 2009
http://www.nhs.uk/news/2009/08August/Pages/FolicAcidFortificationCouldBeBad.aspx
「パンに葉酸を添加するのは不必要で健康に悪影響を及ぼす可能性すらある」とThe Daily Telegraphが報道した。現在妊娠女性は子どもを二分脊椎などのような出生時欠損からまもるために葉酸を摂るよう薦められており、FSAは小麦粉への葉酸添加を推奨している。
米国やカナダでは小麦粉への葉酸添加は義務であるが、この新しい研究ではアイルランドの集団を例にしている。この新しい研究は葉酸添加が義務であるべきかどうかについての議論に何らかの情報をもたらすものではないように見える。多くの人が十分な量を食事から摂っているという。一部の人は必要量を超えているようだ。
著者は葉酸の摂りすぎはがんのリスクを増やしある種の貧血を発見しにくくする可能性があると言っている。しかしながら妊娠前後の葉酸サプリメントの摂取はある種の出生時欠損予防に極めて強力な作用を持つことが知られており、この胎児への明確な利益に拮抗しうるその他の集団でのリスクがあるのかどうかはさらなる研究が必要である。
(元論文はアイルランド献血者50人とダブリンの大学病院で帝王切開で出産した20人の母親と子どもの血液中葉酸濃度を調べたもの)