食品安全情報blog過去記事

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超高濃度カフェイン飲料は子どもに悪いか?

Science Media Center
Are ultra-high caffeine drinks bad for children?
October 22nd, 2009.
http://www.sciencemediacentre.co.nz/2009/10/22/are-high-caffeine-drinks-bad-for-children/
いくつかのブランドの超高濃度カフェイン「エネルギーショット」飲料が発売された。
これらの飲料の一部は1Lあたりのカフェインが、許容量が320mgなのに3300mgにもなる。しかしながらこれらは(食品ではなく)「ダイエタリーサプリメント」と分類を変えれば販売できる。
ほとんどのエネルギーショットは子ども用ではないと表示してあるものの、主に青少年向けに宣伝されている。こうしたエネルギードリンクの販売以後、それらを飲んだ子どもや青少年での有害影響がいくつか報告されている。
サイエンスメディアセンターは栄養学や医学や食品安全の専門家に意見を聞いた。昨年Journal of the American Pharmacists Associationに発表された論文ではこの問題を詳細に検討している。
オークランド工科大学のDr Elaine Rush栄養学教授の話
高用量カフェイン飲料についてはとても心配している。NZFSAが現在食品の形態をしているダイエタリーサプリメントについての新しい基準を作成中である。
オークランドの医師で健康ブログの作者Dr Jim McVeagh
エネルギードリンクをたくさん飲んで精神的問題を起こした十代の子どもたちをたくさん見てきた。カフェインは興奮剤である。
オタゴ大学医学部の医師Dr David Jardine
カフェインは世界で最もよく使われているドラッグであるが慢性摂取で有害影響があるという明確な根拠はない。
オークランド大学臨床薬理学教授Dr Peter Black
カフェインががんや心疾患に関与するという根拠はないが、高用量摂取が妊娠したい女性の妊娠率の低下に関連するという証拠はある。過剰摂取はいらいらや不安や不眠を誘発する。
マッセイ大学子ども栄養学非常勤教授Dr John Birkbeck
高用量カフェイン含有製品は子どもには危険である、カフェインの代謝速度は速いヒトと遅いヒトがいる。「エネルギードリンク」は食品として規制されているが、「エネルギーショット」は安全性の評価のない薬物であろう。この国のサプリメント業界は自分たちが有利になるようにグレーゾーンを拡大してきたが、もっと良く管理すべきであろう。
NZFSAコンプライアンス部門の長Geoff Allen
NZFSAは子どもたちが大量のカフェインを摂るべきではないという専門家の意見に合意する。しかしカフェインは天然の食品に含まれ少量なら問題はない。
食品基準は食事全体を考慮してカフェイン含有飲料のカフェイン上限を320mg/kgに設定している。さらにカフェインを加えた飲料は子どもや妊婦にはふさわしくないと表示しなければならない。
一方ダイエタリーサプリメントは食品ではない。高カフェインエネルギードリンクを禁止するのがベストの方法ではない。禁止には健康上のリスクになるという明確な根拠が必要である。NZFSAは現在カフェインのリスク評価実施中で来年初めには終わるであろう。
業界とも販売上の自主規定について協議中である。
全ての口に入れるモノ同様、我々は常識的と適量を助言する。