食品安全情報blog過去記事

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チョコレート、しわ、皮膚がん

Behind the headlines
Chocolate, wrinkles and skin cancer
Thursday November 5 2009
http://www.nhs.uk/news/2009/11November/Pages/dark-chocolate-stops-wrinkles-skin-aging.aspx
Daily Mirrorによれば「ダークチョコレートを食べると健康になり若返る」。
新聞は新しい研究で、チョコレートに含まれるフラボノールと呼ばれる化学物質が日光によるシワや皮膚がんの予防に役立つことが示唆されたと言っている。新聞の報道のしかたやこの実験の方法には大きな限界がいくつかある。このような主張はこの上もなく興味をそそるものであるが、ありそうもない。この研究の結果が皮膚の加齢や皮膚がんに適用できるという考えは間違っている。一部の新聞はこの研究で使われたチョコレートは店で売っているものとは違うことを正しく指摘している。
ダークチョコレートは美味しいかもしれないが、ニュースの見出しに科学的根拠があるためにはもっと厳密な研究がなければならない。
この研究は美容と医療の両方を行っている民間クリニックの医師らが行ってJournal of Cosmetic Dermatologyに発表されたものである。30人の健康なヒトにフラボノールの多いチョコレートか少ないチョコレート20gを毎日3ヶ月にわたって食べてもらった。平均年齢は43才で皮膚の色は薄い人たちであるが、日焼けのタイプについては記述がない。チョコレートの詳細についても記述はない。腕にUVBを照射したときどのくらいの用量で日焼けするかという試験方法(MED)で評価している。試験開始12週間後のMEDが高フラボノール群で試験開始時より増加したとしている。