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葉酸とビタミンB12治療ががん、死亡リスク増加と関連する

EurekAlert(http://www.eurekalert.org/)より
Treatment with folic acid, vitamin B12 associated with increased risk of cancer, death
17-Nov-2009
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2009-11/jaaj-twf111209.php
食品への葉酸添加は行っていないノルウェーの心疾患患者は、葉酸ビタミンB12治療を受けるとがんとあらゆる原因での死亡のリスクが高い。JAMAの11月18日号に発表された論文。
虚血性心疾患患者6837人を対象にした2つの無作為化プラセボ対照臨床試験
1998年から2005年に開始され2007年12月までフォローした。投与されたのは葉酸 (0.8 mg/d)プラスビタミン B12 (0.4 mg/d)プラスビタミンB6 (40 mg/d)が1708人、葉酸 (0.8 mg/d)プラスビタミン B12 (0.4 mg/d)が1703人、ビタミンB6 (40 mg/d)単独が1705人、プラセボが1721人。葉酸投与群では血中葉酸濃度が6倍以上になった。
フォローアップ期間にがんと診断されたのは葉酸ビタミンB12を投与していない群で288人(8.4%)、葉酸ビタミンB12を投与した群で341人(10.0%)で、葉酸ビタミンB12によるリスクは増加は21%であった。がんによる死亡と全ての死因による死亡も葉酸ビタミンB12投与群で高かった。主に増加していたのは肺がんである。
JAMA. 2009;302[19]:2119-2126
エディトリアル:がん予防研究を評価する−時間の問題
より長期の試験が必要。