食品安全情報blog過去記事

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ヒト発がん物質レビュー パートF:化学剤と関連職業

A review of human carcinogens―Part F: Chemical agents and related occupations
The Lancet Oncology, Volume 10, Issue 12, Pages 1143 - 1144, December 2009
http://www.thelancet.com/journals/lanonc/article/PIIS1470-2045%2809%2970358-4/fulltext?&elsca1=TLO-1209&elsca2=email&elsca3=segment
TCDDについて、1997年にヒトでのデータは限られるものの齧歯類での充分な根拠とヒトと動物での共通メカニズムを根拠にグループ1に分類されたが、今回全てのがんの合計について充分な疫学データがあると判断され、動物実験のデータとメカニズムによる予想が後にヒトデータによって確認された最初の物質となった。このことは発がんメカニズムについての情報が発がん性のしっかりした根拠となりうることを示す。
ホルムアルデヒドについては先の評価では鼻腔がんについては充分な根拠があるが白血病については強いが充分ではないと判断されていた。今回は白血病、特に骨髄性白血病については疫学的根拠がより強くなったため十分な根拠があると結論した。