食品安全情報blog過去記事

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EFSAはヨーロッパにおけるハチの死亡率についての新しい研究を発表

EFSA publishes new study on bee mortality in Europe
15 December 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903101339.htm
EFSAはミツバチの死亡率とコロニーの消失のモニター方法についての報告書を発表した。この研究はEFSAが出資し、フランスのAFSSAが先導した研究機関連合で行われたものである。
この報告書ではミツバチのサーベイランスシステムの改善を助言し、ミツバチの健康に影響する要因を理解するためのさらなる研究が必要だとしている。

  • ヨーロッパにおける蜂の死亡とサーベイランス

Bee Mortality and Bee Surveillance in Europe
15 December 2009
http://www.efsa.europa.eu/EFSA/efsa_locale-1178620753812_1211903101123.htm
AFSSAがEFSAの要望に回答するためヨーロッパの7つのハチの病気についての研究所との連合体を設立した。
現行のサーベイランスシステムに代表データがないなどの弱点が多いため改善のための20の助言を行った。
コロニー消失については様々な傾向があるがデータの質がばらばらであるため解釈は困難である。
文献調査の結果科学コミュニティーにおける現在の同意は米国やヨーロッパでのコロニー消失の原因は複数要因からなり、そのなかには飼育や移動などの養蜂のしかた、気候や生物多様性などの環境要因、農薬などの化学要因、寄生生物などの生物学的要因などが含まれる。コロニーの消失が高濃度の農薬と関連するという報告はほとんど無いが、他の要因との相乗効果については研究の余地がある。寄生生物やウイルスなどの生物学的要因については単独又は複合で明確に重要な要因であることが同定されている。しかしながら未だ正確なメカニズムについては不明である。「コロニー消失」の定義には多くの矛盾があり、文献上17の異なる定義があるため、報告が同じ現象についてのものなのかわからない故に混乱がある。