食品安全情報blog過去記事

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EFSAは燻製香料の最初の安全性評価を完了

EFSA completes first safety assessments of smoke flavourings
8 January 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/cef100108.htm
EFSAはEUで使用されている11の燻製香料の安全性レビューを完了した。これに基づき、欧州委員会は食品に使用できる燻製香料製品のリストを作成するだろう。
SUMMARY OF THE OPINIONS ON SMOKE FLAVOURINGS ADOPTED BY EFSA'S CEF PANEL IN 2009 http://www.efsa.europa.eu/en/home/doc/ceftable.pdf
11製品のうち安全上の懸念はないとされたものは2つだけ

  • 燻製香料の安全性に関する科学的意見 一次産品 AM01

Scientific Opinion on Safety of smoke flavour - Primary Product AM 01
8 January 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1396.htm
AM01はブナの熱分解、蒸気の濃縮、溶媒に溶かして活性炭で洗う、蒸留という
工程で作られる。
In vivoでの遺伝毒性の可能性が排除できない。さらに90日試験でのNOAELとの安全性マージンが小さい。従って意図される使用目的で安全上の懸念がある。

  • 燻製香料の安全性に関する科学的意見 一次産品 Scansmoke R909

Scientific Opinion on the safety of smoke flavour Primary Product Scansmoke R909
8 January 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1395.htm
ブナ90%、オーク10%が原料の製品。
90日試験でのNOAELとの安全性マージンが小さい。従って意図される使用目的で安全上の懸念がある。

  • 燻製香料の安全性に関する科学的意見 一次産品TRADISMOKE A MAX

Scientific Opinion on safety of smoke flavour Primary Product TRADISMOKE A MAX
8 January 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1394.htm
ブナの大鋸屑から作られる。安全性マージンが小さい。従って意図される使用目的で安全上の懸念がある。

  • 燻製香料一次産品の安全性評価に関する声明:安全性マージンの解釈

Statement on the Safety Evaluation of Smoke Flavourings Primary Products: Interpretation of the Margin of Safety
8 January 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1325.htm
燻製香料の安全性マージンについて明確にする。燻製香料は化学組成が複雑で組成の全ては不明であり、毒性学的データも限られることから、ADIを設定するのは適切ではないと考えた。その代わりに混餌投与による90日試験のNOAELと申請者の提出した使用量に基づく安全性マージンを計算した。安全性マージンとは重要な動物実験で問題となっている影響のNOAELと消費者の暴露量との比である。
燻製香料の安全性評価のために要求した最初のデータセットはin vitro遺伝毒性試験3つと亜慢性混餌投与試験である。In vivoでの遺伝毒性の心配が無く90日試験の質が適切であれば、通常の安全性係数100に追加の不確実係数3があれば十分であろうと考える。
特別な安全性マージンが必要かどうかは状況により、デフォルトのガイドラインはできない。どのくらいの安全性マージンが適切かはリスク管理者による社会政治的事項にもよる。