食品安全情報blog過去記事

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プラスチックの化学物質は病気の原因か?

Behind the Headlines
Does plastic chemical cause disease?
Thursday January 14 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/01January/Pages/Plastic-chemical-and-heart-disease.aspx
が「食品缶詰やほ乳瓶に含まれる化学物質が心臓の問題をおこすリスクの増加と関連する」とThe Daily Telegraphが報道した。体内のBPA濃度が高いと低い人より心疾患になる可能性が1/3高いことを科学者が発見したという。
この研究は尿中BPA濃度とある種の疾患を患っていることとの間に幾分かの関連を見つけたものであるが、いくつかの限界がありBPAがこれらの病気の原因であることの証明にはならない。BPAは多くの家庭用品に含まれるため暴露量を減らすために個人でできることは限られている。心配されているもののBPAの安全性に関する多数の研究では、これまで人で有害であるという根拠はほとんど見つかっていないようだ。
研究方法の限界としては無数の統計解析を行っていることから偶然有意になる可能性が高くなること、疾患の有無は自己申告のみであること、尿中BPA濃度の測定は参加者の1/3だけ、などを指摘している。
新聞がほ乳瓶を特に取り上げていても、保護者は心配すべきではない。