食品安全情報blog過去記事

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出産時の飲食:女性に決めさせて

Eating and drinking during labor: Let women decide
19-Jan-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-01/w-ead011510.php
女性は出産時に欲しいものを食べたり飲んだりすることを許されるべきだ、とコクランの研究者らは言う。研究者らは陣痛が始まってから飲食を制限するという伝統的慣行についての研究の系統的レビューを行い、妊娠合併症リスクの低い女性にとってリスクもベネフィットもないことを見いだした。
前世紀のほとんどで出産時の飲食は危険だと見なされていて多くの助産施設で、女性の意志にかかわらず何も口に入れるなという方針がとられてきた。これは帝王切開時の全身麻酔下で吐き戻した食べ物が気管に入る「メンデルソン症候群」に対する懸念が大きな原因であった。しかしながら近年特に英国では女性は好きなように飲食できるように変わってきている。
コクラン系統的レビューは合計3130人の女性を含む5つの研究を解析し、リスクの根拠もベネフィットの根拠も見つけられなかった。従って飲食制限を正当化できない。
麻酔が必要になるハイリスク妊婦についての研究はなく、そのような集団について助言するにはさらなる研究が必要である。