食品安全情報blog過去記事

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食べるのは狂っていて、悪くて、危険・・次は何だろう?

Mad, bad and dangerous to eat… What next?
Andrew Wadge
19 January 2010
http://blogs.food.gov.uk/roller/science/entry/mad_bad_and_dangerous_to
昨日の朝トーストを食べながらラジオを聞き新聞を眺めていたら、食品と健康に関する気がかりなニュースが目についた−ある記事ではバターを禁止せよといい、ある記事ではトランス脂肪の禁止を主張していた。私が心配なのはそのような禁止を正当化する科学についてというよりも、もし誰かが「食べるのは狂っていて、悪くて、危険」とみなした全ての食べ物が禁止されたらトーストに何を塗ったらいいのだろうということだ。
もし我々がバターとトランス脂肪(動物製品には天然に含まれる)を禁止するとしたら、同じ理由でチーズも禁止しないといけないだろう・・そしてチョコレートも、ペストリーも、ケーキもビスケットも。
しかし事実は、現時点でスプレッドを含む我々の食品のトランス脂肪含量は極めて少ないということだ。そしてバターは飽和脂肪が多いので控えめに食べるべきではあるが、もし無くなってしまったら世界はつまらないものになるだろう。
我々はこれらの問題を軽視しているのではなく、禁止というのは実用的な解決策ではない。2007年にSACNがトランス脂肪の健康影響と使用制限が必要かどうかを評価し、すでに食品中濃度は低く設定された基準以下であると結論している。これは企業が任意の削減対策をとったためである。
消費者のトランス脂肪摂取量は今や極めて低く、食品由来のエネルギーの1%である。そしてさらなる削減が英国人の冠動脈心疾患のリスクを削減するという証拠はない。
トランス脂肪は我々の食品に含まれる悪魔の化学物質であるかのように語られているが、対応が必要なのは飽和脂肪の方である。我々は必要以上に飽和脂肪を摂っている(現行ガイドラインではエネルギーの11%以下を薦めているが実際は13%以上)ので、FSAは飽和脂肪啓発キャンペーンを行っている。
だから禁止よりも我々のキャンペーン助言に耳を傾け、責任を持って選択することを薦める。