食品安全情報blog過去記事

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肥満はがんリスクを上げる、その理由

EurekAlertより
Obesity ups cancer risk, and here's how
21-Jan-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-01/cp-ouc011910.php
Cellの1月22日号に発表された論文で、マウスにおいて肥満は「本物の発がんプロモーター」であることを確認し、その理由についても説明した。
肝細胞がん(HCC)になりやすいマウスに化学発がん物質DENを与え発がんプロモーターとしてフェノバルビタールを与えるとHCCになる。DENの後に脂肪含量の異なる餌を与えると脂肪含量の多い餌を与えたマウスのHCCがより多い。また通常餌でも肥満になりやすい遺伝子をもつマウスでHCCが多く、がんを誘発するのは脂肪ではなく肥満状態に関係する何かである可能性が高い。肥満は発がんプロモーターとしてフェノバルビタールと同じ作用がある。肥満で増加しているものとしてIL-6とTNFを同定した。TNF受容体またはIL-6を欠く肥満マウスは肝がん発症が少なかった。TNF受容体またはIL-6を欠く肥満マウスは肝臓への脂肪の蓄積が少なく、脂肪の分布が異なっていた。
オープンアクセス
Dietary and Genetic Obesity Promote Liver Inflammation and Tumorigenesis by Enhancing IL-6 and TNF Expression
Cell, Volume 140, Issue 2, 197-208, 22 January 2010
http://www.cell.com/fulltext/S0092-8674(09)01638-9