食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 頑丈なワタを食べる害虫が最新のGM作物へのダメージ

Science 19 March 2010:
Vol. 327. no. 5972, p. 1439
Hardy Cotton-Munching Pests Are Latest Blow to GM Crops
モンサントはインドのGMワタに昆虫が耐性を獲得したことを発表した。
西インドで世界で初めて野生のCry1Ac耐性ワタアカミムシガの幼虫が見つかった。
この発表はGM反対派の格好の攻撃材料になるだろう。
インドは中国に次いで世界第2位の綿生産国で、昨年までに830万ヘクタールあるいは全生産量の83%がGM綿である。

  • Hervé ThisとのQ & A

Nature 464, 355 (18 March 2010)
Q&A: Hervé This on flavour and perception
分子美食学(料理の科学)の分野のパイオニアであるフランスの化学者Hervé Thisのインタビュー
一部抜粋
何故美味しい料理と美味しくない料理がある?
料理の基本は愛情とアートと技術である:愛のない完璧な技術はダメである。良き友と一緒に食べるまずいサンドイッチは喧嘩しているカップルが食べるミシュランの三つ星レストランの料理より美味しいだろう。
それぞれの成分には独自の味がある?
特有の味などというものは存在しない。幻想である。純粋なチキンの味というのはない。チキンは種類や調理法によりいろいろな味になる。
料理は個別の成分や分子から組み立てるべきか?
肉や魚や野菜は化合物の複合体である。調理というのは伝統的には混合物を混合することで正確なものではない。だからnote-by-note調理という概念を提唱している。堅さや味や香りを作るのに特定の化合物を使う。困難だが我々の前には未開の大陸が広がっている。
異なる地域の食品が化学的に同じだろうか?
地理的条件は同じように作った食品の風味を変えることがある。
低温長時間調理のようなプロのテクニックをどうすれば家庭で再現できる?
プラスチックの袋に七面鳥を入れて食器洗い乾燥機で数サイクル回すと低温調理ができる。
発酵食品は微生物学があまりにも複雑なので苦手。

  • がん:老化への敷居を下げる

Nature 464, 363-364 (18 March 2010)
Cancer: A lower bar for senescence
早く老化させることでがんの治療に役立てようという話
それはともかく、「アンチエイジングでがんになりやすくなりましょう!」というキャッチコピーはいかが?

  • ナチュロパスクリニックで違法HCG押収

Casewatchから
Illegal HCG Seized at Naturopathic Clinic
Stephen Barrett, M.D.
http://www.casewatch.org/doj/marschall/warrant_application.shtml
2010年3月10日に当局がワシントンポートアンジェルスのナチュラルヒーリングクリニックを捜索しコンピュータや患者ファイルや多数のヒト絨毛性ゴナドトロピン(HCG)を押収した。このクリニックの経営者はナチュロパスRichard (Rick) Marschallで、ウェブサイトでHCGを痩身薬として販売していた。