食品安全情報blog過去記事

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日本人の腸は寿司のためにできている

Science NOW
Japanese Guts Are Made for Sushi
by Lauren Schenkman on April 7, 2010
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2010/04/japanese-guts-are-made-for-sushi.html?etoc
日本人は北米人の持っていない、海藻を消化するのに役立つ酵素を持つ腸内細菌を持っている。さらに日本人は外洋で海草を食べて生きる細菌を食べたことによりこれらの酵素を獲得したらしい。
フランスブルターニュ海岸にあるStation Biologique de Roscoffの化学者Mirjam Czjzekらは海藻を食べることのできる海洋性細菌Zobellia galactanivoransについて研究していて海藻の特定の炭水化物を消化できる酵素をコードする遺伝子5つを同定した。これらの遺伝子を別の細菌に入れて海藻を食べさせ、特に活性の高い2つの遺伝子を同定した。
そしてこれらの遺伝子が他にどの細菌にあるかデータベースを探していて驚くべきことを発見した。この遺伝子をもつのはほとんど海洋性細菌だったのだが一つだけ例外があって、それがヒトの腸由来細菌だったのだ。それはBacteroides plebeiusで、日本人からしか見つかっていなかった。
Czjzekらはこれが日本人固有のものなのかどうか確認するために13人の日本人と18人の北米人の微生物ゲノムを検索し、日本人のうち5人はこの酵素を持つが北米人には1人もいなかった。Natureに報告される。
(それって海藻のカロリーはゼロとみなす、というのは間違いということになる?)

Natureニュースでは
寿司食人への遺伝子の贈り物
A genetic gift for sushi-eaters
Published online 7 April 2010
http://www.nature.com/news/2010/100407/full/news.2010.169.html
海苔に含まれる多糖類ポルフィランや寒天に含まれるアガロースを分解する酵素