食品安全情報blog過去記事

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コーヒーやソフトドリンクは大腸がんリスクにほとんどあるいは全く関連しない

EurekAlert(http://www.eurekalert.org)より
Coffee and soft drinks have little or no association with colon cancer risk
7-May-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-05/jotn-cas050610.php
Journal of the National Cancer Instituteに5月7日にオンライン発表された研究によればコーヒーや砂糖入り飲料、炭酸飲料はたとえ大量に飲んでも大腸がんリスクには関連しない。
これまでいくつかの研究でコーヒーや紅茶ががんリスクを下げるあるいは上げることが示唆されていた。例えば紅茶には抗酸化物質が含まれるからがんリスクを下げるとか、あるいは発がん促進作用のあるポリアミンを含むからがんリスクを上げるとか言われる。砂糖入りソフトドリンクは肥満の原因になるので大腸がんリスクを上げると言われている。
今回北米とヨーロッパで行われた731441人の参加者を含む13の研究のデータを解析した。このうち大腸がんになったのは5604人だったが例え1日6カップの大量のコーヒーを飲む人でも発がんリスクに増減は観察されなかった。砂糖入り炭酸飲料についても1日18オンス(500 mL程度)以上飲む群にリスクに差はなかった。お茶に関しては弱い正の関連があったがたくさん飲む人の数が少なかったため偶然の可能性があり再検討が必要である。

Risk of Colon Cancer and Coffee, Tea, and Sugar-Sweetened Soft Drink Intake: Pooled Analysis of Prospective Cohort Studies
Journal of the National Cancer Institute, doi:10.1093/jnci/djq107
http://jnci.oxfordjournals.org/cgi/content/abstract/djq107v1