食品安全情報blog過去記事

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GM作物の使用でマイナー害虫が大きな問題になった

Natureニュース
GM crop use makes minor pests major problem
13 May 2010
http://www.nature.com/news/2010/100513/full/news.2010.242.html
中国北部での10年の研究によれば、主要害虫への抵抗性をもつGM綿を育てることで他の害虫が増えた。
1997年に中国政府はHelicoverpa armigeraに効果のあるBt綿の栽培を認め、現在では400万ヘクタールが栽培されている。その後カメムシ類が増えて1997年の12倍になった。増えた理由はBt綿の導入により広範囲に有効な殺虫剤の使用が減ったためであると考えられる。
もともと綿の主要害虫はワタミゾウムシだったが、農薬を使うようになって耐性を獲得したワタアカミムシガの幼虫が主な害虫になった。同じように何かに対策をすれば別のものが主流になる。GM作物でも農家は害虫の変化に対応して効果的管理を行う必要がある。農薬の効果的散布方法をさがす一方で研究者らは複数害虫に抵抗性のある綿を作ろうとしている。
Lu, Y. et al. Science advance online publication
doi:10.1126/science.1187881 (2010).