食品安全情報blog過去記事

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携帯電話の使用に関連した脳腫瘍のリスク:INTERPHONE国際症例対照研究の結果

Brain tumour risk in relation to mobile telephone use: results of the INTERPHONE international case–control study
The INTERPHONE Study Group
IJE Advance Access published on May 17, 2010. doi:10.1093/ije/dyq079
http://ije.oxfordjournals.org/cgi/content/full/dyq079
オープンアクセス

  • コメント:私の携帯に電話して・・・それともしないほうがいいかしら?INTERPHONE研究の結果から

Commentary: Call me on my mobile phone...or better not?—a look at the INTERPHONE study results
Rodolfo Saracci and Jonathan Samet
IJE Advance Access originally published on May 17, 2010. This version published May 18, 2010. doi:10.1093/ije/dyq082 
http://ije.oxfordjournals.org/cgi/content/full/dyq082
これまで部分的結果がたくさん報告されていたため待ち望まれていた完全な結果がようやく発表された。
INTERPHONE研究者の結論は「最も高い暴露量で、同側の、側頭部に、神経膠腫と髄膜腫(少ないが)リスクが増加する可能性が示唆された。しかしバイアスやエラーのため、これらの解析から得られる結論の確実性は限定的で結果の因果関係解釈はできない。」というもので、最初の文章に重きを置くか後半の文章を重視するかで反対の意味を読むことが可能だ。
Lowranceの定義によれば「ものごとはリスクが許容できると判断されれば安全である」。この定義によればリスクは定量化される必要があり、疫学研究の役割と許容できるかどうかの判断は個人や社会の文脈の中にある。最も関心のあることは子どもの時から一生使った場合のリスクであろう−それはこれまで研究されていない。
普通の使用者ではむしろリスクの減少が一貫して観察されていることなども考察

WHO Press Conference - Interphone Study
18/05/2010
http://com.iarc.fr/en/media-centre/multimedia/audiovideos/files/PCWHO20100517.mp3
5月17の記者会見の録音(mp3ファイル28Mb)
インターフォン研究をどう伝えるかは報道する側の力量を示す指標になるかも。)