食品安全情報blog過去記事

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プロバイオティクスヨーグルトは子どもの病気を減らすか?

Behind the headlines
Do probiotic yogurts cut child illness?
Wednesday May 19 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/05May/Pages/probiotic-yogurt-and-child-infections.aspx
The Daily Telegraphが「毎日プロバイオティクスヨーグルトを飲むと小さな子どもを感染症から守るのに役立つ」と報道した。毎朝ヨーグルトを飲んだ子どもはクラスメートに比べて20%耳や鼻の感染症に苦しむ可能性が少なかったという。この実験は良くデザインされた無作為対照化試験であるが、結果は見出しの言うほど意味のあるものではない。この研究はダノンが資金を出して3-6才の健康な638人を対象に行った。子どもたちには毎日Actimelか同様の不活性ヨーグルトを約3ヶ月間飲んでもらった。保護者の観察による病気による行動の違いはなかった(学校を休んだりサッカーの試合に出なかった回数)が、プロバイオティクス群でごく僅か感染症が少なかった。この結果は意味があるかどうかぎりぎりのもので、19%という群間の差は大きいように見えるが影響の絶対的大きさは極めて微細である。もし子どもが毎日ヨーグルトを100日間食べたとするとプラセボ群に比べて良くある感染症(鼻水が出た、咳をした、吐いた、熱を出したなど)に罹る回数が2回少ない。(9.8回が7.8回)
(元論文がオープンアクセスなのでこの図とかを見ればわかりやすい。
http://www.nature.com/ejcn/journal/vaop/ncurrent/fig_tab/ejcn201065f2.html#figure-title