食品安全情報blog過去記事

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長官のコラム

コーヒーの化学物質
The coffee chemical
Andrew McKenzie
http://www.nzfsa.govt.nz/publications/ce-column/2010/ce-web-column-2010-06-caffeine.htm
世界中の人々が各種の形態で何世紀もの間カフェインを楽しんできている。私は毎朝コーヒーを飲むし、ニュージーランド中にあるコーヒーショップの数を見ても、我々はカフェインを愛していると言えよう。
しかしながら、我々の飲食するものは全て摂りすぎる可能性があり、カフェインも摂りすぎれば有害作用がある。近年子どもたちや若者のエネルギードリンクに含まれるカフェインへの暴露についての懸念が高まっている。エネルギードリンクはニュージーランドでは10年以上の販売歴がありこれまで学生の一夜漬けや夜通し起きていなければならない人用に使われてきた。最近エネルギーショットと呼ばれる製品がヒットしていてたくさん販売されている。
NZFSAは消費者にとってリスクとなる可能性がある食品を同定した場合にはリスク管理の枠組み(RMF)を適用して規制が必要かどうか検討する。RMFは4段階からなり、まず予備的リスク管理から始める。エネルギードリンクとエネルギーショットの場合には最もリスクの高い子どもや若者での暴露推定のためのリスクプロファイルの作成を行った。
リスクプロファイルの結果驚くような新しい事実は見つからなかった。1日に体重1kgあたり3mg以上のカフェインを摂ると一部の人々に一時的な有害影響がみられることがある。これは子どもたちがエネルギーショットを飲むと70%に心拍増加や不眠などの有害影響が出る可能性があることを示す。このメッセージは保護者向けに、子どもたちにダブルロングブラック(濃いコーヒー)を与えないのと同様、エネルギーショットは与えないように、という形で伝えられた。エネルギードリンクやエネルギーショットには既にカフェインを含み子どもにはふさわしくないという警告表示が義務づけられている。さらにニュージーランドジュース飲料協会が小さな子ども向けには宣伝しない服務規程を作った。
現時点ではエネルギードリンクは食品基準の調整カフェイン添加飲料(FCB)として規制されているが、この基準はリスクに基づくものではなく、エネルギーショットのような製品をカバーしないなど十分とは言えない。このため現在オーストラリアと共同でFCBの見直しの提案をしている。レビューによって、2002年にエネルギードリンクがそうなったように、エネルギーショットはサプリメント基準の適用範囲から除外される可能性もある。もちろん基準の改定にはパブリックコメントが募集される。