食品安全情報blog過去記事

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トリコテセンマイコトキシンHT-2とT-2 毒素の毒性データ報告

Report on toxicity data on trichothecene mycotoxins HT-2 and T-2 toxins
1 July 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/65e.htm
Fusarium属が主に作るHT-2 毒素の毒性データは限られている。T-2 毒素は速やかに分解されてHT-2 毒素になり、HT-2とT-2 毒素の急性毒性は同じような範囲であるため、T-2 毒素のin vivoでの毒性はHT-2 毒素の毒性を含むものと考えられる。T-2 毒素は経口野球丹生で速やかに吸収され、経皮吸収は遅い。T-2 毒素は速やかに全身に分布し代謝される。尿や糞中に排泄される主要代謝産物は毒素のグルクロン酸抱合体である。
HT-2とT-2 毒素の齧歯類での経口LD50は5-10 mg/kg体重の範囲である。T-2には強い皮膚刺激性がある。トリコテセンの毒性はタンパク質の合成阻害−高濃度ではRNAやDNAの合成阻害による可能性が高い。T-2 毒素には体重減少などの非特異的全身影響があり、さらに肝障害、生殖毒性、神経毒性、血液毒性、免疫毒性などがある。
リスク評価に最もふさわしいデータは豚での混餌投与で、0.5-3.0 mg/kgのT-2 毒素を含む餌で免疫抑制が観察されている(LOAEL 0.029 mg/kg bw/d)。