食品安全情報blog過去記事

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論文等

Consulting 'Dr. Google'
2-Jul-2010
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2010-07/aaoo-c070210.php
Journal of Bone and Joint Surgery (JBJS)の2010年7月号に発表された研究によれば、良くあるスポーツ医学の診断についてのライン情報の質はばらばらで、患者はウェブの情報は全体像を伝えていないかもしれないことを知っておくべきである。
半月板損傷やテニス肘などのような良くある10の診断について、GoogleとYahooを使ってトップ10の情報をレビューした。中身の評価について最もスコアが高かったのはNPOのサイト、次に学術雑誌などを含むアカデミックサイト、そして製品を販売していないWebMDなどのような商用サイトだった。最も不正確だったのは新聞記事と個人のウェブサイトだった。治療や製品を販売しようとしているサイトは多いがしばしば情報が不完全である。
(新聞記事と個人サイトの信頼性が同じで最低というところに注目。)

  • どこが今でも最悪の医療制度か?

Who still has the worst health system of them all?
The Lancet, Volume 376, Issue 9734, Page 1, 3 July 2010
米国の公益財団が発表した報告書Mirror, Mirror on the Wallで、米国はこれまで同様オーストラリア、カナダ、ドイツ、オランダ、ニュージーランド、英国の7か国中最低ランクだった。米国の保険に入っている高所得者層だけを対象にしても費用が高くて必要な医療が受けられないと答えた割合が多い。

  • 喫煙はカロテノイドと直腸結腸がんの負の相関を減らす

Smoking attenuates the negative association between carotenoids consumption and colorectal cancer risk.
Cancer Causes Control. 2009 Oct;20(8):1327-38. Epub 2009 Jun 27.
イスラエル北部集団研究の中の1817人の症例対照研究。食事からのカロテノイドの摂取は直腸結腸がんリスクの減少と強く関連するが、喫煙するとその関係が弱くなり時に逆転する。喫煙は野菜や果物をたくさん食べることの健康に良い影響を阻害する可能性がある。

  • 魚介類の摂取によるアレルギー誘発性早期陣痛

Allergy-induced preterm labor after the ingestion of shellfish.
J Matern Fetal Neonatal Med. 2010 Apr;23(4):351-9.
アレルギーがあることを知りながらロブスターを食べてアレルギー反応と定期的子宮収縮が誘発された妊婦の症例。抗ヒスタミン剤ステロイドの投与で早期陣痛を鎮め、満期で産むことができたが、子どもはアトピーと喘息があり吸入ステロイドが必要である。

NO-Xplode: a case of supplement-associated ischemic colitis.
Mil Med. 2010 Mar;175(3):202-5.
筋肉増強サプリメントNO-Xplode による42才男性の症例

  • 唐辛子オレオレジンスプレーによる突然死

[Sudden death caused by an oleoresin capsicum spray]
Arch Med Sadowej Kryminol. 2009 Jul-Sep;59(3):252-4.
唐辛子スプレーにより、急性咽頭浮腫による窒息で死亡した若い男性の症例
ポーランド

  • 2才までの牛乳アレルギーリスクと母親と周産期の特徴

Maternal and perinatal characteristics and the risk of cow's milk allergy in infants up to 2 years of age: a case-control study nested in the Finnish population.
Am J Epidemiol. 2010 Jun 15;171(12):1310-6. Epub 2010 May 14.
1996-2004年にフィンランドで生まれて2006年までに牛乳アレルギーと診断された16237人に、それぞれ対照を選択して行ったネステッド症例対照研究。リスク増加に関連したのは帝王切開(オッズ比1.18, 95%信頼区間1.11,1.27)、35歳以上の高齢出産(OR = 1.23, 95% CI: 1.11, 1.36)で、リスク減少に関連したのは母親の社会経済学的地位の低さ(OR = 0.65, 95% CI: 0.59, 0.71)、喫煙(OR = 0.72, 95% CI: 0.67, 0.79)、出産経験の多さ(5回以上OR = 0.71, 95% CI: 0.59, 0.86)、多胎妊娠(OR = 0.70, 95% CI: 0.60, 0.82)であった。

  • オバマは指定生物剤をリスクレベルにより順位づけするよう命令

ScienceInsider
Obama Orders Select Agents To Be Ranked by Risk Level
July 2, 2010
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2010/07/obama-orders-select-agents-to-be.html?etoc
オバマ政権は米国の、炭疽などのような危険な病原体や毒素などの指定生物剤の研究に関する計画を全面的に改定すると発表した。現在指定生物剤リストに入っている82項目のうち最も危険なものをハイリスクカテゴリーに分類して安全確保対策を強化する。
これにより一部の研究者や大学にとっては頭痛の種が増えるかもしれないがルールを明確にすることで有害性の少ないものを扱っている人にとっては規制のための手間が減るかもしれない。
OPTIMIZING THE SECURITY OF BIOLOGICAL SELECT AGENTS AND TOXINS IN THE UNITED STATES
http://www.whitehouse.gov/sites/default/files/microsites/ostp/2010bioagentsEO.pdf