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鉛中毒 ナイジェリア(第2報)

Lead intoxication - Nigeria (02): (ZA)
07-JUL-2010
http://www.promedmail.org/pls/otn/f?p=2400:1001:532667385954896::NO::F2400_P1001_BACK_PAGE,F2400_P1001_PUB_MAIL_ID:1000,83563
金の精製のための鉛の多い鉱石を取り扱うことに関連した鉛中毒が2010年3月からナイジェリアZamfara州の子どもたちに集団発生している。
2010年3-4月にBukkuyumと Ankaの地方政府地域の2つの村で子どもの死亡や病気が増加しているという報告が国境無き医師団(MSF)からZamfara州保健省に伝えられた。ナイジェリア保健省の要請により米国CDCが調査団を派遣した。同時にブラックスミス研究所も環境評価のために調査団を派遣した。
これらのチームがMSFやWHOとも協力してDareta と Yargalmaの村の子どもたち100人以上が平均血中濃度119 g/dL(単位microが抜けてるような。以下全て)の重症鉛中毒であることを確認した。さらに土壌中の鉛濃度は10万ppm以上であった(米国やフランスの居住地域の規制値は400 ppm)。
ナイジェリア政府はWHOに技術的財政的支援を要請した。WHOは疫学者や毒性学者などのチームを派遣しさらに5つの村で高濃度の鉛汚染を確認した。5才以下の子どもの無作為抽出56人で90%以上がキレート剤の投与が必要とされる45 g/dL以上、70%以上が緊急治療が必要とされる70 g/dLだった。5つの村で推定2000人以上が治療が必要であろう。鉛中毒が起こっている村は他にもありそうだ。
MSFが現在100人ほどの子どもたちにキレート剤の投与を行っている。WHOはMSFやその他の国際医療チームと協力して治療プロトコールを作成している。環境中の鉛の除去とさらなる汚染予防が必要である。