食品安全情報blog過去記事

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EFSAは食用アゾ色素の再評価を完了し、アマランスのADIを引き下げる

EFSA lowers ADI on amaranth, completing its re-evaluation of azo dye food colours
26 July 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/ans100726.htm
EFSAのANSパネルはEUで使用が認められているアゾ色素の再評価を完了し、アマランスの安全性を評価した。
アマランスのADIは1984年にJECFAが0-0.5 mg/kg bw/day、SCFが0-0.8 mg/kg bw/dayに設定しているが、0.15 mg/kg bw/dayに引き下げた。
成人の平均暴露量はADIより遙かに少ないが、定期的に大量のアメリカーノベルモットと赤い食前酒のカクテル)や食前酒を飲む人ではADIの6倍になる。子どもたちの暴露量はADIの1/30程度である。

  • 食品添加物としてのアマランスの再評価に関する科学的意見

Scientific Opinion on the re-evaluation of Amaranth (E 123) as a food additive
26 July 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1649.htm
アマランスには遺伝毒性試験陽性の結果があるが、通常の遺伝毒性試験と発がん性試験では陰性であり、アマランスの遺伝毒性陽性の結果は発がん性には至らないと結論した。全体としてANSパネルはSCFやJECFAの意見と同様、アマランスの遺伝毒性に関する懸念はないという意見である。
JECFAがADIの設定に用いた2年の試験で、腎の石灰化と過形成のNOAEL 50 mg/kg bw/dayとしているが、ANSパネルは雌のラットの腎盂で石灰化と過形成がみられることからこの用量をLOAELとみなした。アマランス投与群におけるこのような病変の増加は老化に伴うネフローゼの発症を増悪することによるだろう。
生殖発達毒性に関するNOAELはマウス 100 mg/kg bw/day (最高投与量)、ラット 15 mg/kg bw/day、ウサギ15 mg/kg bw/day (最高投与量)、ネコ 50 mg/kg bw/day 及びイヌ75 mg/kg bw/day (約)である。
全体のデータからADI設定のための値は15 mg/kg bw/dayで、安全係数100を採用してADIは0.15 mg/kg bw/dayを設定した。
認められている最大の使用量を使って計算した場合、1-14才の子どもの暴露量は95及び97.5パーセンタイルでADIの1/30である。成人については高暴露群ではADIの6倍になる。主な暴露源は食前酒とアメリカーノカクテルである。
アマランスの鉛についてはJECFAの規格では2mg/kg以下なのに対してECは10mg/kg以下であることを注記する。またアルミのTWIが1mg/kg体重/週に設定されたことからアルミの規格も必要かもしれない。