食品安全情報blog過去記事

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悪魔のE番号?

Evil E numbers?
Andrew Wadge
26 August 2010
http://blogs.food.gov.uk/roller/science/entry/evil_e_numbers
「添加物フリー」は食品産業で働く賢いマーケティング担当者のおかげで誤解を招く「健康的」と類似語になってしまった。何故あなたが売ろうとしている食品に何かが入っていないことを宣伝したいのか、私にはさっぱりわからない、多分私はマーケティングの人間ではなく科学者だからだろう。
それでBBC Twoで放送されるE番号についての三部作ドキュメンタリーに興味を持った。色素や保存料を悪者扱いするのではなく添加物にまつわる誤解を解く試みのように見えたから。
「E番号」という用語は単純にEUで使用が認められた食品添加物に与えられた参照番号で、それらのうち多くは天然由来で脂肪酸クロロフィルペクチン、ビタミンCのような慣れ親しんだ名前のものもある。
今週Mail on Sundayがこのドキュメンタリーの扱ったいくつかのテーマのまとめを報道した。食用色素で緑に着色した缶詰の豆と缶詰を作る工程で脱色した豆とを食べ比べてもらう実験も含まれている。全員がきれいな緑色の豆の方が美味しいと答えた。つまり食べ物の見た目は我々の味の認識にとって重要だということだ。
もう一つのあまり美味しそうではない実験は添加物として働く人体に含まれる成分でケーキを作るというものだった。涙からリゾチーム、汗からプロピオン酸、毛髪からL-システイン、胃酸から塩酸、脂肪からグリセロール。もちろんそれらは法的に品質基準がある市販の添加物の原料として使われてはいないが、添加物の多くが天然に存在するものであることを説得力をもって示している。
最も悪者扱いされている添加物の一つのグルタミン酸ナトリウムは、天然にブロッコリーやマッシュルームやトマトに存在し、商用には糖蜜やテンサイの発酵で作られている。
添加物は有害細菌の増殖を抑制したり食品に劣化を抑えたり加工の際にジャムの変色を補ったりと我々の食品に重要な役割を果たしている。その使用は注意深く規制されており安全で必要で消費者を誤解させない場合のみ使われている。
あなたは安全性について助言する独立した科学者と、「無添加」と称して何かを売りつけようとする人々と、どちらを信頼する?
BBC
The day I ate as many E numbers as possible
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-10773893
Mail Online
Why E numbers aren’t really so Evil after all
http://www.dailymail.co.uk/health/article-1305016/Why-E-numbers-arent-really-Evil-all.html
(どの記事にもとにかく添加物というだけでダメだという人がコメントしている。マーケティングの犠牲者なのだが・・。)