食品安全情報blog過去記事

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Stump ら(2010)の研究「SDラットにおける経口ビスフェノールAの発達神経毒性試験」のビール型迷路試験データの統計学的再解析

Statistical re-analysis of the Biel maze data of the Stump et al (2010) study: "Developmental neurotoxicity study of dietary bisphenol A in Sprague-Dawley rats"
30 September 2010
http://www.efsa.europa.eu/en/scdocs/scdoc/1836.htm?wtrl=01
Stump らの研究では、生後22及び62日にビール型水迷路試験を行っている。迷路からの脱出時間とエラー回数を記録し、180秒以内に脱出できなかった場合には3分と記録している。このような測定方法は右側打ち切りと呼ばれ、モデルを作る場合には考慮しなければならないがStump らはしていないため結果にはバイアスのある可能性がある。データの再解析の結果BPAの神経毒性の可能性については統計学的に確認も排除もできない。従ってStump らの研究は結論が出せないと見なすべきである。