食品安全情報blog過去記事

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妊娠中の軽度飲酒

Light drinking in pregnancy
Wednesday October 6 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/10October/Pages/light-drinking-in-pregnancy.aspx
「妊娠中にたまにグラス一杯のワインを飲んでも赤ちゃんの発育に有害影響はない」とDaily Mailが伝えた。新聞は「週に1-2ユニットのアルコールを飲む妊娠女性の子どもはむしろ飲酒を止めた人の子どもより行動が良いかもしれない」と言う。
この大規模試験は英国の11,513人の子どもの情動や行動を5才の時点で調べたものである。子どもの成績と母親の妊娠中の飲酒に関する記憶とを比較した。新聞報道とは違って、研究者らは妊娠中に軽度飲酒していた女性の子どもは行動が良くなるだろうとは結論していない。実際にはこの知見は軽い飲酒は子どもたちに害も益もないことを示すと述べている。さらに、大規模で良くデザインされた研究ではあるがいくつかの限界があるため軽度飲酒に害がないと結論することはできない。
この研究で、妊娠初期(3ヶ月まで)にはアルコールを避けるようにという英国の公的ガイドラインは変わらない。3ヶ月以降でも、ガイドラインでは週に1-2回、最大1-2ユニットを飲むことによる有害影響があるという根拠はないとしているが安全な飲酒量は確実には設定できない。
(新聞の見出しには酒を飲むことを薦めるようなものがある。酒好きはこれを言い訳にして飲むだろう。)