食品安全情報blog過去記事

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その他論文

  • 英国における薬物の有害影響:多基準決定解析

Drug harms in the UK: a multicriteria decision analysis
David J Nutt et al.
The Lancet, Early Online Publication, 1 November 2010
http://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)61462-6/fulltext
英国での薬物誤用による有害影響の適切な評価が必要である。多基準決定解析(MCDA)により各種薬物の有害影響を評価した。
個人にとって最も有害なのはヘロイン、クラックコカイン(高純度コカイン)、メタンフェタミンでそれぞれパートスコア34、37、32である。一方他人に対して有害なのはアルコール、ヘロイン、クラックコカインで46、21、17である。全体ではアルコールが最も有害な薬物で(総有害スコア72)、次いでヘロイン(55)、クラックコカイン(54)となる。
(英国だからという部分が大きいけれど。ただしこれをドラッグ解禁要求に使うのは論外で、アルコール対策をもっとやれというのが著者の主張。)

C & ENニュース
Scientists Find Bisphenol A In U.S. Food
November 1, 2010
http://pubs.acs.org/cen/news/88/i45/8845news.html
Environmental Science & Technologyに米国の食品中のBPA濃度データが発表された。検出された量は数ppbレベル(0.23 ~ 65.0 ng/g ww)でこれまでの他の国での報告と同程度である。
(この記事は見出しにNot only in cansとあり von Saalの言い分を載せていて安全基準以下でも危険だと言いたいようだ。)
Bisphenol A (BPA) in U.S. Food
Arnold Schecter et al.
Environ. Sci. Technol., Article ASAP
DOI: 10.1021/es102785d
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es102785d
(スライスターキー0.35は何だろう?
ドッグフードとキャットフードまで対象にしている)

  • 高カロリー飲料がまだ広く米国の小学校で販売されている

High-Calorie Drinks Still Widely Sold in U.S. Elementary Schools
November 01, 2010
http://www.businessweek.com/lifestyle/content/healthday/645124.html
Archives of Pediatrics and Adolescent Medicineに11月1日オンライン発表された論文によれば、国のガイドラインで高カロリーや砂糖入り飲料は小学校で販売しないよう勧めているにもかかわらず、公立小学校の生徒の45%がまだ学校で不健康な飲料を購入できる。
2007年のIOM助言によれば、給食以外では水と100%ジュースと脂肪1%以下のミルクしか入手できないようにすることを薦めている。
イリノイ大学のLindsey Turner博士は約500の公立、300の私立学校を3年間調査した。
私立小学校では2006-2007年は57%、2008-2009年は58%が高カロリー飲料を入手できた。
この結果は3月の米国飲料協会の99%がガイドラインに従っているという報告と矛盾する。99%という数字は自動販売機を扱っている企業のデータであり、この中にミルクは入っていない。Turner博士は脂肪分が多いミルクを「不健康な飲料」と分類していて、それが多くの学校で報告されている。
(ジュースはいいのに牛乳はダメというのもなんだかな)