食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

FSAが出資したオーガニック食品レビューについての独立した評価

Independent assessment of Agency-funded review of organic food
Tuesday 16 November 2010
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2010/nov/gacsorganicreview
科学に関する一般助言委員会(GACS)が、FSAの委託した2009年の有機食品と非有機食品の栄養価に関するレビューを独自に評価し、全ての段階に置いて良質であると結論した。
GACSはSoil AssociationとOrganic Trade Board(注:いずれも有機推進団体)によるこの研究の妥当性とFSAのコミュニケーションの仕方への疑義について検討した。GACSはこの研究は全ての段階に置いて良質で、研究方法については早い段階から意見を受け付けており幅広く厳密なピアレビューが行われている、と結論した。
このレビューはFSAに2つのことを薦めている。
・FSAは未発表データの公開については明確なポリシーを持つべきである
・結果が極めて短い事前通知で発表される場合には関係者には予め情報を伝えておくべきである
GACSのレビューについて、FSAの主任科学者Andrew Wadge博士は、FSAの研究の質の高さが認められたことは喜ばしいと述べている。
GACS Review Sub Group on the Agency-funded systematic review of nutrient content of organic and non-organic foods
http://www.food.gov.uk/science/ouradvisors/gacs/gacsgroups/wgorganic
FSAがこの研究を委託する必要性についても、オーガニック食品が健康に良いという消費者を誤解させるメディア報道があまりにも多くなったために緊急性と必要性が高いと判断したことは妥当であり、オーガニック食品に栄養上のメリットはないという結論も正しいとしている。

  • FSAの科学は問題なし

All clear for the Agency’s science
Andrew Wadge
16 November 2010
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/all_clear_for_the_agency
FSAの科学にとって良い知らせがあった。オーガニック食品の栄養価に関するFSAのレビューがGACSの審査に耐えた。私はこの研究を行ったチームやそのピアレビューを信頼しているが、さらに独立したグループによって確認されるのは良いことだ。
Soil AssociationとOrganic Trade Boardによる異議の主要な部分はこのレビューに含まれていない研究があるというものだった。系統的レビューは一定の質基準に合致したデータのみを検討することに大きな価値がある。GACSがこのアプローチに合意し、適切であったと判断したことは喜ばしい。このような厳格な手続き無しには、特定の見解に合うデータだけを抜き出して偏った結論を導くリスクがある。