食品安全情報blog過去記事

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ファクトシート より健康的な油脂を選ぶ

Choosing healthier fats and oils
1 December 2010
http://www.foodstandards.gov.au/scienceandeducation/factsheets/factsheets2010/choosinghealthierfat5003.cfm
脂肪は栄養成分表示欄に飽和脂肪と総脂肪(トランス脂肪と多価不飽和脂肪と単価不飽和脂肪を含む)として表示されている。食品中の総脂肪は一般的に各種脂肪の混合物で、食品によりある種の脂肪が他の脂肪より多い。栄養成分表示と脂肪関連栄養強調表示を理解するためには、食品中に含まれる脂肪の種類の違いとその役割を理解する必要がある。
飽和脂肪
飽和脂肪はバターや乳製品、脂肪の多い肉、揚げたテイクアウト食品や加工食品の主要脂肪である。食事から飽和脂肪を摂りすぎると主要冠動脈心疾患リスク要因である血中「悪玉」コレステロール(LDL)濃度が増加する。
オーストラリアニュージーランド食事ガイドラインの一環として、食事からの脂肪摂取はほどほどにして飽和脂肪の摂取量は制限することを薦めている。
ほとんどの植物油には飽和脂肪は多くはないが、パーム油とココナツ油は例外である。
単価/多価不飽和脂肪
単価不飽和脂肪は血中コレステロール濃度を下げるのに役立つ。摂取源はオリーブ、キャノーラ、マカダミア油、アボカド、ナッツ、「単価不飽和」と表示されたマーガリンなどである。
多価不飽和脂肪は必須栄養素である。重要な種類としてオメガ6及びオメガ3脂肪酸の2つがある。オメガ6脂肪酸の良い摂取源はひまわり、紅花、大豆、ゴマ油、及び多価不飽和マーガリンなどである。オメガ3脂肪酸が多いのはキャノーラ、マーガリン、魚及びその他のシーフードである。
単価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸は、食品にコレステロールや飽和、トランス、多価不飽和、単価不飽和、オメガ3、オメガ6、オメガ9脂肪酸に関する栄養強調表示をする場合には表示されなければならない。
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸(TFA)には天然由来のものと人工のものがある。天然TFAは牛や羊のような動物由来食品に含まれる。バターやチーズや肉などがある。人工TFAは液状の植物油に水素を添加(または硬化)する際に生じる。一部は高温調理により生じる。
TFAの多い食品は「悪玉」LDLコレステロールを増加させるだけではなく、「善玉」HDLコレステロールを減らす。食品企業はオーストラリアとニュージーランドの食品中のトランス脂肪酸含量を過去数年間で減らしてきた。
TFAの表示は義務ではない。任意で表示はできる。しかしコレステロールや飽和、トランス、多価不飽和、単価不飽和、オメガ3、オメガ6、オメガ9脂肪酸に関する栄養強調表示をする場合には表示しなければならない。
コレステロール
コレステロールは動物由来食品中に存在するが植物由来食品には存在しない。食品中のコレステロールは血中コレステロール濃度を増加させるが、飽和脂肪やトランス脂肪ほど大きな影響はない。血中コレステロール濃度を下げるには飽和脂肪を多価または単価不飽和脂肪に置換すると良い。
食品に表示されている「コレステロールフリー」のようなコレステロール強調表示はその食品に脂肪が含まれないことを意味するのではない。油やアボカドやマーガリンのように、油はたくさん含むが「コレステロールフリー」な食品はたくさんある。
コレステロールや飽和、トランス、多価不飽和、単価不飽和、オメガ3、オメガ6、オメガ9脂肪酸に関する栄養強調表示をする場合にはコレステロールを表示しなければならない。
トランスと飽和脂肪摂取量を減らすにはどうすればよいか
我々は一般的にTFAについてはWHOの推奨する1日の摂取カロリーの1%以下を十分下回る摂取量であるが、飽和脂肪とTFAの合計では14-16%とオーストラリアとニュージーランドの推奨する8-10%を上回っている。これは飽和脂肪の摂取量が多いためである。
我々は飽和脂肪の摂取量を減らす必要がある。総脂肪と飽和脂肪は既に栄養成分に表示されている。
総脂肪の少ない食品を選んだり脂肪の多い乳製品や肉を少なくしたりすることで摂取量を減らせる。