食品安全情報blog過去記事

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ビートの根のジュースは多分「不老不死の薬」ではない

Behind the headlines
Beetroot juice probably not 'elixir of life'
Monday December 20 2010
http://www.nhs.uk/news/2010/12December/Pages/beetroot-juice-probably-not-elixir-of-life.aspx
Daily Mailが「ビートの根のジュースを飲むと高齢者がより活動的人生を送るのに役立つ可能性がある」と報道した。新聞はそのジュースを、歩く労力を12%改善したとして「不老不死の薬」と呼んだ。このニュースのもとになったのは、健康で若い男性9人に6日間ビートの根のジュースを飲んでもらって運動したときの反応を調べた小規模の研究である。この研究の目的はビートの根のジュースに何らかの影響があるとすればそれが硝酸によるものかどうかを知ることで、被験者はさらに6日間硝酸を除いたビートの根のジュースを飲んで試験をしている。硝酸の多いジュースは血圧低下とウォーキングやランニングの際の酸素支出の低下、疲労遅延に関連した。この試験の規模と期間から、この結果は偶然である可能性が高い。もしビートの根のジュースに何らかの生理的メリットがあるとしても、このような実験条件での結果が日々の生活に意味のある差をもたらすことを意味すると解釈できるかどうかは不明である。ビートの根が「不老不死の薬」であるという根拠はない。