食品安全情報blog過去記事

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携帯電話が「脳の活動を増やす」

Behind the headlines
Mobiles 'increase brain activity'
Thursday February 24 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/02February/Pages/mobiles-increase-brain-activity.aspx
The Sunが「携帯電話は脳細胞を殺す」と報道した。新聞は数百人の携帯電話使用者を対象にした実験で電話中に出る電磁波が脳の7%の化学的変化を誘発することがわかったという。これによりがんになる可能性が高くなるかもしれないという。他の新聞もこの研究を報道しているがもっとバランスが良い。
この実験は47人の健康なボランティアで、携帯電話を頭の両側に固定して脳の活動を測定した。一方にだけ50分間無音で呼び出しを続けた。脳のスキャンの結果は携帯のアンテナに最も近い領域に7%の増加が認められた。Sunはこの知見を過剰解釈しこの結果からは言えないような警告をしている。この研究では細胞が死ぬとかがんになることは示されていない。影響の大きさは小さく、研究者自ら「臨床上の意味は不明」と言っている。これらの知見が有害かどうかはわからない。さらなる研究が必要である。
(「統計学的有意」と「生物学的に意味がある」は違うという話。どちらもsignificanceなので。)