食品安全情報blog過去記事

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食品のリサイクル紙包装についての懸念

Concerns about recycled food packaging
Terrence Collis on 10 March 2011
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/concerns_about_recycled_food_packaging
火曜日のBBC BreakfastでわがFSAの化学物質安全性部門のTerry Donohoeによる食品包装用ボール紙の安全性についての報告を放送した。Terryはとても明快だったがこの問題の報道のされ方は、怖そうな報道をされた場合に不完全なデータに直面した場合消費者にとって問題を全体的に見ることがいかに難しいかを示すものだった。
スイスで行われた研究で食品の包装用に使われたリサイクル紙に含まれるミネラルオイルが食品に移行することが示された。しかしながら現時点で入手できる情報からはそれが食品の安全上の問題であるとは言えず、スイスの研究者はデータが足りないためリスク評価ができなかった。動物実験で、ミネラルオイル混合物には肝臓や心臓や免疫系への影響があるという幾分かの根拠はある。WHOは一部のミネラルオイルについて一生に渡って毎日食べ続けても有害ではない量としてADIを設定しているがその値はミネラルオイルの種類によりいろいろである。この新しい研究からはどの種類のミネラルオイルが存在するのかわからないためにADIを超えているのかどうかわからない。
現在の根拠からは問題があるかどうかは結論できないが、我々はこの問題を重大に受け止め、さらなるデータの収集を行っている。この結果は夏には出るだろう。
またFSAは製造工程で食品安全上の懸念となりうる物質を排除されるようリサイクル物質についての監視も行っている。一部の業者も対応している。
いつものように新しい情報が入手出来次第ウェブサイトで公開する。しかし大事なことは朝食シリアルについてパニックになる理由はないということで、私も毎日ポリッジを食べる習慣を変えるつもりはない。