食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 中国は研究センターにより食品安全上の恐怖が鎮まることを期待

Natureニュース
China hopes research centre can quell food-safety fears
Published online 22 April 2011
http://www.nature.com/news/2011/110422/full/news.2011.253.html
政策決定者と一般の人々にリスク評価を提供する独立機関
中国で食品スキャンダルが報道されない月はない。最近では農家が豚に違法薬物クレンブテロールを投与して数千頭の動物が廃棄され100人もの人々が警察に拘束された。一方数百の酪農場が安全基準違反で閉鎖された。食品会社による違法行為を無くすために多くの対策が執られているが、スキャンダルは続いている。中国の規制が緩く、研究者には能力がないように見えるがそうではない、と衛生署の食品化学物質安全性部門の主任科学者Wu Yongningは言う。食品安全規制の履行に主な問題はあるが、今年後半に設立される予定の食品安全リスク評価についての新しい国立センターが食品安全基準の改善と人々の信頼向上に役立つだろう。300人以上の科学者と専門家でレビューや新規研究を行う。
(中国のような言論統制を平気でする国で科学が開放的になれると信じる人はどれくらいいるのだろう?)

Science Insider
A Map of Fukushima's Radiation Risks
Jocelyn Kaiser on 22 April 2011
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/04/a-map-of-fukushimas-radiation.html?ref=hp
DOEが福島第一原子力発電所近傍に住む人々の長期放射線リスクの地図を発表した。DOEによる空中調査では津波の約10日後から周辺の放射能レベルを測定している。先の地図(http://blogs.nature.com/news/thegreatbeyond/2011/03/fukushima_update_against_the_o_1.html)では現在のレベルを示していたが、今回の分析(http://www.slideshare.net/energy/radiation-monitoring-data-from-fukushima-area-04182011)はそこに1年間住み続けた場合の、避難も屋内退避もしない場合の最大暴露量を示す。赤が米国国土安全保安省による一般の人々への移動を検討するレベルである2000ミリレム(20 mSv)/年以上のところである。オークリッジのSENES Oak Ridge 社の放射線リスク専門家Owen Hoffman によると、「1年で2000ミリレムというのは直ちに健康への脅威となるものではないが、大雑把にヤングアダルトの500人に一人、1才の子どもの100人に1人が余分にがんになる。世界にはブラジルのGuarapariのような自然放射能レベルがそれより高い地域もある。さらに放射線暴露が無くとも10人中4人はいつかがんになることにも留意する価値があるだろう。日本政府は人々がこの地域へ立ち入るのを認めるかどうかについてリスクを説明し決定する必要がある。それは長期避難の困難さの程度による。社会的経済的影響と将来の健康リスクのバランスをとる必要があるだろう。」
(高齢者は無理矢理移住させるリスクの方が高いだろう。大人は禁煙したら住んでもいいとか言えば禁煙してくれるだろうか?例えば親が喫煙者の場合、子どもは許容できない理不尽なリスクに曝されているわけだけれど、それでも介入は難しい。バランスをとる、というのは言うは易く行うは難し。)

  • 何故痩せた母親から太った子どもが産まれるのか

ScienceNOW
Why Skinny Moms Sometimes Produce Fat Children
22 April 2011
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2011/04/why-skinny-moms-sometimes-produc.html?ref=hp
肥満の原因として、食生活と遺伝に次いで三番目の要因として母親から子どもに受け継がれるDNA結合分子が考えられている。
ドイツがオランダ西部への食料供給をカットした1945年のオランダ飢饉を研究していた研究者は、飢饉の時に妊娠していた母親から生まれた子どもは成人してから肥満になる率が高いことを発見した。ラットでの実験で妊娠中に栄養不良だった母親の子どもは太ることを確認した。このメカニズムとしてエピジェネティクスが疑われるようになった。最近妊娠初期に炭水化物摂取量が少ないこととRXRα遺伝子のメチル化の関連が見いだされた。
(それだと戦時中にたくさんのヒトが飢えていた日本人が、もっと多く肥満になっていないといけないのでは。)

NYT
The Crash and Burn of an Autism Guru
April 20, 2011
http://www.nytimes.com/2011/04/24/magazine/mag-24Autism-t.html
Andrew Wakefieldのその後。医学会から自説を完全否定されたにもかかわらず、彼は主張を続け、その熱烈な信奉者からは「我らがネルソン・マンデラでありイエス・キリストである」と支持され続けている。
4月は自閉症啓発月間なので自閉症関連記事多い。