食品安全情報blog過去記事

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FDAは包括的リスクキャラクタリゼーションの枠組みを使うことで、その決定による公衆衛生への影響をより良く分析することができる

FDA Could Analyze Public Health Consequences of Its Decisions Better With an Overall Risk-Characterization Framework
May 9, 2011
http://www8.nationalacademies.org/onpinews/newsitem.aspx?RecordID=13156
NRCによる新しい報告書は、FDAが多様な製品についての決定の公衆衛生への影響を系統的に評価・比較するための枠組みを提供する。さらにリスク評価の枠組みは、規制の選択肢について議論するための共通言語を提供し、FDAが意思決定を行う際の健康影響の大きさを明確にするための十分に吟味されたリスク文献となる。
FDAは医薬品の認可から食品製造施設の監視に何人派遣するかまで、日々意思決定を行わなければならない。NRCの委員会は、FDAの他のリスクベースのアプローチを補完することを目的にした。
新しい枠組みは、選択肢の注意深い定義、各選択肢による公衆衛生への影響推定またはキャラクタリゼーション、その帰結の、意志決定者や一般への情報伝達のための体系的比較、の3段階からなる。
この枠組みを4つの仮想的ケーススタディで適用している。ワクチンを市場から回収するかどうか、食中毒の公衆衛生影響評価、試験検査対象の優先順位決定、2つの医療機器の既存サーベイランス強化をするかどうか、である。
委員会は情報が不足していたり科学者が判断したがらない場合などには結果を適切に予想するのが困難であることも認識している。しかしながらリスク情報が必要な決定は定期的に行われている。委員会はFDAに対し、この枠組みの利用を促進するため、意思決定分析、リスク評価、リスク管理、及び不確実性の評価についての訓練を受けた、そしてそれができる専門家を利用することを薦める。
(太字は日本に決定的に欠けているもの。「特定分野だけに詳しい大学教授」のようなヒトを何人集めても事態を混乱させるだけ。)

報告書本文
A Risk-Characterization Framework for Decision-Making at the Food and Drug Administration
http://www.nap.edu/catalog.php?record_id=13156