食品安全情報blog過去記事

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  • クラゲのうんちがどうやってフードチェーンをだめにするか

ScienceNOW
ScienceShot: How Jellyfish Poop Fouls Up the Food Chain
by Sara Reardon on 6 June 2011
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2011/06/scienceshothow-jellyfish-poop-fo.html?ref=hp
夏になるとChesapeake湾で大発生するクラゲのフードチェーンへの影響を研究した論文がPNASに発表された。クラゲは動物プランクトンやその他の炭素固定生物を食べ、ゲル状の炭素に富む糞をする。普通はあまりいない希な細菌種がそれを食べて炭素をCO2に変換する。このため炭素が水系から排除され、魚などが食物として利用できなくして最終的には海の生命が飢える。
Jellyfish blooms result in a major microbial respiratory sink of carbon in marine systems
http://www.pnas.org/content/early/2011/05/31/1015782108

  • BPAの暴露は過小推定、とMUの研究者はいう

EurekAlertより
Exposure to BPA has been underestimated, new MU research says
6-Jun-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-06/uom-etb060111.php
BPAはこれまで考えられていたより速く体内に蓄積する
マウスにBPAを餌で継続して与えた場合と一回で与えた場合の濃度を比較し、餌の方がBPAの吸収と蓄積が増えることがわかった。

Von Saalらのグループ
Comparison of Serum Bisphenol A Concentrations in Mice Exposed to Bisphenol A through the Diet Versus Oral Bolus Exposure
http://ehp03.niehs.nih.gov/article/info:doi%2F10.1289%2Fehp.1003385
(中身をみればわかるけど強制経口投与で与えた場合と餌に混ぜて与えた場合には血中濃度の経時変化が違うという当たり前の話。
20 mg/kgに投与量を一致させて血清中AUC(0-24h)を比較した結果が227.4 ±41.1 と201.0 ± 20.6 ng.h/mLだから餌の方が高いと主張しているが、この値だと誤差範囲重なっているし、強制経口投与は投与してから全て24時間経っているのに餌は食べたばかりの分が入っていて全く同じにならなくても当然なのでは。「蓄積」の根拠もないし。
プレスリリースでミスリードさせようという魂胆が見え見えなのが気持ち悪い。)