食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

ファイザーは動物用医薬品3-Nitroの販売を自主的に一時停止

FDA: Pfizer will voluntarily suspend sale of animal drug 3-Nitro
June 8, 2011
http://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm258342.htm
FDAのデータに企業が対応
FDAファイザーの子会社Alpharmaが1940年代から養鶏に使われている動物用医薬品3-Nitro(ロキサルソン)の販売を自主的に一時停止すると発表した。
これは最近FDAが行った100のブロイラーチキンの検査で、3-Nitro処理した場合の方が使っていないチキンより高い無機ヒ素が検出されたためである。検出された無機ヒ素濃度は低く、チキンを食べ続けても健康上のリスクとはならない。3-Nitro処理したチキンのレバーに無機ヒ素濃度が増加していた。懸念は低いが避けることができる。
検査の詳細については以下から
3-Nitro (Roxarsone) and Chicken
http://www.fda.gov/AnimalVeterinary/SafetyHealth/ProductSafetyInformation/ucm257540.htm
濃度は筋肉で対照群が4.9、3.1 ppbに対してロキサルソン投与で71や28(休薬5日)ppbだがレバーだと対照群はおなじくらいなのにロキサルソン群が2836と1062 ppb。トレランスは筋肉500ppb、肝臓2000 ppbなので休薬5日のものは違法ではない。
Q & A
http://www.fda.gov/AnimalVeterinary/SafetyHealth/ProductSafetyInformation/ucm258313.htm
ロキサルソンのがん原性試験は陰性であること、ロキサルソンは有機ヒ素化合物であることなど。

  • 参考

チキンのヒ素ファイザーのトリ用添加物の販売一時中止
Arsenic in US chicken halts sale of Pfizer poultry-pumper
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5jtbncfz9b2SvvbhAW3IjrRyOOxfA?docId=CNG.161978ad878421d320b7331d7af803d4.541
3-NitroまたはRoxarsoneを使用したチキンのレバーの無機ヒ素濃度が、使用していない場合より高いことがわかったため。FDAは検出された量は極微量で健康リスクとはならないと言っている。FDAは1944年に3-Nitroを承認し、米国で最初のヒ素含有新規動物用医薬品となった。3-Nitroはカナダ、メキシコ、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナムで家禽やブタ用に販売されている。チリ、アルゼンチン、ペルー、ベネズエラ、ブラジル、オーストラリア、パキスタン、ヨルダンでは家禽にのみ認可されている。ヨーロッパではヒ素を含む添加物の使用は禁止されている。