食品安全情報blog過去記事

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リンゴの皮は筋肉に良い?

Behind the Headlines
Do apples a-peel to muscles?
Wednesday June 8 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/06June/Pages/apple-peel-compound-and%20muscle-wasting.aspx
「1日1個のリンゴは医者いらず−皮を捨てなければ」とDaily Mailが報道した。リンゴの皮に含まれる化学物質が筋肉を増強することで体重を維持し「健康によい」という。この報道は加齢や病気による筋萎縮の治療法を探った初期段階の実験室での研究にもとづく。研究者らは絶食時に筋肉で活性が変わる遺伝子を同定し、遺伝子の活性化に影響する化学物質をデータベースから探して、遺伝子活性に対して絶食時と逆の影響を示すものとしてリンゴの皮に含まれるウルソル酸を同定した。次に絶食マウスにウルソル酸を与え、筋萎縮が抑制できること、普通のマウスに与えた場合には筋肉の増殖が増加することを見いだした。この研究の知見がヒトには当てはまらないかもしれないことを注意しておくのが重要である。仮にウルソル酸が筋萎縮に効果があるとしても、リンゴを食べて同じ効果があるかどうかは不明である。他の果物同様、リンゴを食べることには健康上のメリットがあるが、この研究が理由ではない。