食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • がんの環境原因と戦う

NEJM
Combating Environmental Causes of Cancer
N Engl J Med 2011; 364:2266-2268 June 9, 2011
http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc1103912
お便りコーナーでの応酬。
・David C. Christianiとたった2人からなる「大統領のがん委員会」が、喫煙や肥満や運動不足などに言及することなく、がんの85-95%が環境要因であるという我々の見解を引用し、環境要因という言葉を工業汚染物質の同義語として扱って誤解を招いている。
・Christianiは子どもの白血病や脳腫瘍が(率で)増加したと主張しているが実数では1973年から1990年までの間に10万人に1人増えただけで1990年以降は脳腫瘍は減っている。減り続けるリソースを何に振り向けるかはデータに基づいて決めるべきで根拠のない誇張された主張に基づくべきではない。
という批判に対してChristianiは、環境の悪い途上国のデータを持ちだしたりデータのない化合物の数が多いことなどで反論している。
(毒性データのない物質の数なら天然物の方が多いでしょうに、というように簡単に突っ込める反論
「大統領のがん委員会」については批判が多い。お友達つながりなんだろうか、しかるべき学会などの推薦を受けずに任命して混乱、というのは日本の原子力関連内閣参与の乱発と混乱、に似ている。
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20100507#p20

  • 自閉症は数百の自然発生遺伝子突然変異に関連する

Natureニュース
Autism linked to hundreds of spontaneous genetic mutations
Published online 9 June 2011
http://www.nature.com/news/2011/110609/full/news.2011.359.html
これまで行われたなかで最も包括的な自閉スペクトル疾患関連遺伝子変異探索研究の結果が今週Neuronに3つ発表された。ゲノムの数百の領域が関与し、女の子の方が変異の数が多い。つまり女の子の方が自閉症になるのに必要な変異が多いために患者は男の子の方が多い。関連する遺伝子は400にもなる。
(普通の人にだってたくさん変異はある。ただ運良く症状がないだけ。誰にも責任はないし親を責めてはいけない。食事の影響など僅かだろう。対策があるとしたら適齢期に子どもを産むことくらいだけどそれをできなくしているのは社会の仕組みじゃないか。)