食品安全情報blog過去記事

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オリーブオイルが「脳卒中リスクを下げる」ことがわかった

Behind the Headlines
Study finds olive oil 'lowers stroke risk'
Thursday June 16 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/06June/Pages/olive-oil-and-risk-of-stroke.aspx
Daily Telegraphが「オリーブ油が高齢者の脳卒中を払いのける」と報道した。オリーブ油の多い食生活は人生後半の脳卒中リスクを1/3以上下げることがわかったという。この研究は65歳以上の約8000人を調査し、オリーブ油をたくさん摂っている人は全く摂らない人に比べて脳卒中のリスクが41%低かった。これは大規模で追跡期間が長く質の高い研究である。しかしながらオリーブ油だけが単独で脳卒中リスクを下げたというしっかりした根拠にはならず、結果は注意して見るべきである。オリーブ油の使用は自己申告で、試験の開始時に一度尋ねただけなので時間とともに変化しているかもしれない。他に考慮されていない脳卒中のリスク要因があるかもしれない。オリーブ油は健康にメリットがあるとされる地中海食の重要な構成要素である。しかし脳卒中には健康な食生活や減塩、飽和脂肪、運動など他の要因も関与する。食事にオリーブ油をたくさん加えても他の要因を無視するとしたらメリットはないだろう。