食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

我々は技術的に遅れているのか?そうでないと思いたい!

Are we technologically backward? I'd like to think not!
Terrence Collis
17 June 2011
http://blogs.food.gov.uk/science/entry/are_we_technologically_backward_i
私は英国やヨーロッパが技術開発の最前線にいると信じているので、Wall Street Journalで描かれたような、食品生産や安全で遅れているというEUの姿に反論する。この記事ではEU大腸菌アウトブレイクを食品照射があまり使われていないという事実とあわせて非難し、最近の大腸菌アウトブレイクが近代的農業技術を嫌うドイツのオーガニック農場でおきたことと関連づける。しかし世界の食品のうちたった10%しか照射はされていない。
食品照射に馴染みのない人のために説明すると、照射は細菌を殺すために食品に放射線をあてることで、これにより食品が放射能をもつようにはならない。電子レンジで加熱しても食品から電磁波が出ないのと同様で、安全に使えることはわかっている。
現在英国で照射が認められているのは7つのカテゴリーの食品であるが、施設は1つしかなく、スパイスやハーブしか照射していない。なぜこの技術がもっとひろく使われないのか?一部は商業的理由で、投資にみあったリターンが得られないと食品企業が考えているのだろう。
FSAのカンピロバクター市民フォーラムでは、照射によりカンピロバクターが排除できることを知らされても、「照射」という単語が心配なのと高い費用のため、それを支持する人は少ない。Wall Street Journalの記事では照射食品の表示が使用を妨げていると非難している。これは関係あるだろう、そして英国の消費者が新しい技術を受け容れることに躊躇しているというのは認めよう。しかし私は消費者には情報を与えるべきだと強く信じる。
消費者に情報を与えられた上での決定をするために必要な情報を与えることと教育のためにできることはある。FoodNavigator-USAの「ガリレオはうかばれない。しかしマットデーモンがその答えか?」という題の記事では、食品科学者がナノテクノロジーや照射やGMの議論を乗っ取る疑似科学者を止めたいと思うなら、メディアを非難するのをやめて主導権を取り戻すべきだという。それこそが我々がやろうとしていることであるが、センセーショナリズムの中で話を聞いてもらうのは難しい。我々のメッセージを伝えるのに良いアイデアはありませんか?

Wall Street Journal
Europe's Organic Food Scare
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304432304576369142982006926.html?KEYWORDS=organic+food+scare
FoodNavigator-USA
http://www.foodnavigator-usa.com/Business/IFT-keynote-Galileo-is-turning-in-his-grave.-But-is-Matt-Damon-the-answer
本「否定論:いかにして不合理な考え方が科学の進歩を妨げ、地球を傷つけ我々の生命を脅かしているか」の著者Michael Specterのフードエキスポでのスピーチから始まる記事
'Denialism: How irrational thinking hinders scientific progress, harms the planet and threatens our lives