食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 藻毒素が魚に蓄積

ES & Tニュース
Algal Toxins Accumulate In Fish
June 22, 2011
http://pubs.acs.org/cen/news/89/i26/8926scene1.html
これまで飲料水が主な暴露源と考えられてきたミクロシスチンだが、藻のある湖の淡水魚を食べることで相当量暴露されることが報告された。
Evaluating Microcystin Exposure Risk through Fish Consumption
Amanda E. Poste et al.
Environ. Sci. Technol., Article ASAP DOI: 10.1021/es200285c
http://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/es200285c
魚により濃度は多様であるが、アフリカの魚で最大だった。ウガンダビクトリア湖ナポレオン湾の小魚Rastrineobola argenteaでは39および 129 µg/ kg肉だった。WHOのミクロシスチンLRのTDIは0.04 microg/kg体重なので体重60kgの人が24µg/ kg肉以上の濃度の魚を100g食べると超過する。ただしミクロシスチンは種類により毒性が異なることと測定方法がELISAなのでさらなる調査が必要である。

  • 怖い新しいタバコ表示は心理学に基づいていない

ScienceInsider
Scary New Cigarette Labels Not Based in Psychology
23 June 2011
http://news.sciencemag.org/scienceinsider/2011/06/scary-new-cigarette-labels-not.html?ref=hp
FDAがデザインした新しいタバコのデザインが恐ろしいものであることには疑問の余地はない。しかしこれらは効果はあるのか?
2009年のタバコ規制法でFDAにタバコ製品の規制権限が与えられ、2010年に36の画像を使って18000人を対象に調査し、今回提示された9つを選び出した。恐ろしい画像の表示は新しいものではなく、既に40か国以上が採用している。ただし英国やカナダでは喫煙率の低下がこの画像によるものなのかどうかは判断が難しい。
行動心理学者のCarol Tavrisは人々が恐ろしいものに慣れてしまうと考えている。認知的不協和は極めて強力な現象で、人々は有害だとわかっていることをしながら自分は賢いと思っている。そしてこれは一度止めようとして失敗した人が一番抱きやすい。
(ニコチン中毒患者は治療対象。ビョーキなので心理学者の出る幕ではないのでは。)

  • VoYSがサイエンスメディアワークショップを開催

Sense about science
VoYS Standing up for Science media workshop
23 June 2011
http://www.senseaboutscience.org/news.php/123/voys-standing-up-for-science-media-workshop
博士課程の学生やポスドクがメディアに話すことについての懸念を表明し、科学者やジャーナリストや報道担当者から、公共の場での科学的議論にどう参加するのかについて聞いた。ポッドキャストあり。
若い科学者に参加を促す試み

  • ちょっと待て(体重を量れ)、砂糖を非難するな

オーストラリアのニュース
Weight a minute, don't blame sugar
June 23, 2011
http://www.theaustralian.com.au/national-affairs/weight-a-minute-dont-blame-sugar/story-fn59niix-1226080214264
シドニー大学栄養研究所副所長Bill Shrapnelが、オーストラリアが新しく発表した食事ガイドライン案に対して、砂糖が不当に悪者扱いされているという。ガイドライン案では人々に「脂肪、塩、アルコール、砂糖」の摂取を控えるようにと薦めているが、砂糖そのものが直接人体に有害なわけではない。

オーストラリアのニュース
Wind farm opponents welcome Senate health report
Friday, 24/06/2011
http://www.abc.net.au/rural/news/content/201106/s3252563.htm
上院委員会が政府に風力発電による健康影響を調査するよう要請した。キャンベラ地方で風力発電の健康影響に関する議論が白熱している。健康被害を訴えている人がいる。風力発電との因果関係の確証はないが調査は必要とのこと。