食品安全情報blog過去記事

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APVMAのエンドスルファン規制は遅かったのか?

Was the APVMA slow in taking regulatory action against endosulfan?
30 June 2011
http://www.apvma.gov.au/news_media/community/2011-03_regulatory_action_endosulfan.php
環境保護主義者達がAPVMAのエンドスルファン規制が遅いと主張している。この主張は60もの国がオーストラリアより先にエンドスルファンの禁止を決定したからであろう。彼らはその結果オーストラリア人が不必要なリスクに曝されていると主張している。
オーストラリアの規制ではAPVMAが安全に使用できると認めたもののみが販売できるというものである。安全上懸念があるという信用できる根拠があればAPVMAは対応する。APVMAが化合物の登録を抹消し市場から排除するのはリスクが管理できないことを示唆する根拠があるときのみである。
APVMAはエンドスルファンについては1995年、2002年、2005年と徐々に対応してきた。その結果エンドスルファンは厳しくコントロールされている。
2010年の保健高齢化省の外部評価では2005年の規制はヒト健康を守るのに有効であるとしている。2010年に持続可能性・環境・水・集団コミュニティ省(DSEWPAC)に2005年以降の科学研究をレビューするよう求め、DSEWPACはスプレードリフトと流出が水棲生物に有害影響を与える可能性があると助言した。APVMAはこの状況下でさらなる規制強化をするのは不可能と考え、エンドスルファンの登録廃止を決定した。
APVMAより早い時期にエンドスルファンの登録を廃止した国もあるが、それらの多くはエンドスルファンのリスクを管理できなかった国である。一方オーストラリアには洗練された規制ツールがあり、ヒト健康や環境を保護しながらエンドスルファンの利益を享受することができた。従ってオーストラリアのエンドスルファン登録の廃止が遅かったのは規制の弱点というよりむしろ成功であると言える。