食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

「ストレスを受けた赤ちゃん」の話はさらなる研究が必要

'Stressed baby' story needs more study
Wednesday July 20 2011
http://www.nhs.uk/news/2011/07July/Pages/stress-during-pregnancy-and-genetic-effects.aspx
Daily Telegraphが「妊娠中にストレスを受けると赤ちゃんが不安や行動障害になりやすいように遺伝的にプログラムされる」と報道した。このニュースは25人の成人女性とその10-19才の子どもについての極めて小規模の研究に基づく。妊娠中に家庭内暴力を受けた女性の子どものストレス応答に関与するタンパク質をコードする遺伝子に特定の化学修飾(メチル化)がおこりやすい。この研究は極めて小さいもので、妊娠中の母親のストレスが子どもの遺伝子に影響するというしっかりした根拠にはならない。また調べているのは血液細胞のDNAで、神経細胞など他の細胞にも見つかるかどうかはわからない。さらにメディアは遺伝子にメチル化のある子どもはストレスへの対応能力に乏しいと報道しているがそのような研究はない。この研究では子ども達の行動上の問題やストレス応答は調べていない。