食品安全情報blog過去記事

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Lancetから

  • 実験動物:「彼らは苦しんでいるか」

Animals in research: “can they suffer?”
The Lancet, Volume 378, Issue 9788, Page 289, 23 July 2011
英国では2010年に実験に使われた動物の数が増えた。Lancetが扱うのは主に臨床研究杖あるが、それらの発展は動物モデルによってもたらされたものであり、医学研究の全ての関係者は全ての分野の研究が明確な倫理基準に従っていることを確保する必要がある。動物に「権利」があろうとなかろうと、我々には責任がある。
バイオテクノロジーの発展によりいつしか動物を使用しなくて済むようになることを多くの人が望んでいるが、短期的にはバイオテクノロジーは新しい倫理問題を提示している。これに果敢に挑戦したのが医学アカデミーの「ヒト材料を含む動物」報告書である。ヒトのDNA配列を含むように改変した動物などのことである。
中略
実験動物を行う人達にとっては透明性とできる限りの科学的・倫理的水準の高さを維持することが求められる。しかしながらこれが恐怖と恫喝の中では達成できないことも明確である。動物実験が絶対的悪だと信じている人達が意見を変えるとは思えないが、それでもお互いを尊敬し対話を求めるほうがうまくいくだろう。医学研究に動物を使うことについての現実的倫理的問題は決して無くならないし無くなるべきでもない。科学とモラルについての、絶え間ないダイナミックなプロセスによってのみバランスが保たれるだろう。
英国の実験動物統計
Statistics of Scientific Procedures on Living Animals , Great Britain 2010
Wed Jul 13 09:30:00 BST 2011
http://www.homeoffice.gov.uk/publications/science-research-statistics/research-statistics/science-research/spanimals10/

The vaccine paradox
Richard Horton , Pamela Das
The Lancet, Volume 378, Issue 9788, Pages 296 - 298, 23 July 2011
ワクチンの成果は素晴らしいものであるが、世界のワクチン支持は脆い。ワクチンによると(間違って)センセーショナルに報道される死亡例などが一般の人々の支持を低下させている。さらにワクチン製造そのものが持続可能ではない。

  • 津波被災地の生命、健康、コミュニティ

Life, health, and community in a tsunami-affected town
The Lancet, Volume 378, Issue 9788, Page 318, 23 July 2011
Taro Yamamoto , Masaya Kato , Susumu Shirabe
岩手県大槌町に支援に行った長崎大学のチームによる報告。