食品安全情報blog過去記事

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その他ニュース

  • 公開研究でヒ素生命に疑問

Natureニュース
Open research casts doubt on arsenic life
Published online 9 August 2011 | Nature | doi:10.1038/news.2011.469
Erika Check Hayden
http://www.nature.com/news/2011/110809/full/news.2011.469.html
ほとんどの科学者は失敗することがまず確実な実験はしたくないだろう。しかしブリティッシュコロンビア大学バンクーバー校の微生物学者Rosie Redfieldは、細菌がDNA骨格にヒ素を取り込むという係争中の主張を、詳細をブログで公開しながら再現しようと試みる。彼女はみんなが毎日注目していること、そしてたくさんの人が彼女の失敗を期待していることを知っている。RedfieldはNASAの研究フェローFelisa Wolfe-Simonらが昨年12月にScienceに発表したいわゆる「ヒ素生命体」の解析をすることも目的であるが、同時に研究の公開性についても一撃を与えることを望んでいる。彼女はこれまでも研究の公開をしてきたが、注目されなかった。今回は良いチャンスである。オープンサイエンスのテストケースになるかもしれない。
Redfieldはヒ素生命体については二つの大きな疑問を持っていた。8月2日に既にWolfe-Simonの論文とは矛盾する初期結果を報告している。これまでWolfe-Simonらの研究を再現しようとした研究者はいない。そのような価値はないと判断されている。
Rosie Redfieldのブログ
http://rrresearch.fieldofscience.com/

  • オーストラリアの研究者が自閉症のリスクを発見

Australian research finds autism risk
9 Aug 2011
http://www.swinburne.edu.au/chancellery/mediacentre/media-centre/news/2011/08/australian-research-finds-autism-risk-
Swinburne工科大学の新しい研究により、ピンク病の家族歴が自閉スペクトラム疾患(ASD)の有意なリスク要因であることがわかった。
ピンク病は20世紀前半に見られたある種の水銀中毒で、水銀への感受性が高い500人に1人の小さい子どもに見られ、言語消失、通常の活動への興味の消失、光や痛みへの過敏反応を示し最大20%が死亡する。原因として1950年代に生歯パウダー(歯が生える頃の赤ちゃんのむずかりを抑えるために赤ちゃんに与えられていた薬)に含まれる水銀が同定され、排除されてからはこの病気は基本的に無くなった。
今回研究者らはオーストラリアのピンク病の生存者500人以上を対象にその子孫の健康状態を調査した。その結果子ども1100人、孫1360人のデータが集まった。データの解析から、6-12才の孫の25人に1人がASDと診断されていてこれは現在のオーストラリアのこの年齢での一般的頻度である160人に1人より多かった。これは水銀感受性が高いという遺伝的要因と水銀暴露の組み合わせが関係する可能性を示唆する。水銀への暴露はFSANZによるシーフード摂取に関する助言に従うことや歯の詰め物にアマルガム以外を選ぶことなどで減らせる。

  • 汚染イガイで数十人が病気になった

CBCカナダ
Dozens sickened after eating tainted mussels
Aug 9, 2011
http://www.cbc.ca/news/health/story/2011/08/09/mussels-illness.html
貝毒汚染のある貝で、ブリティッシュコロンビアでは火曜日までに約50症例が報告されている。

  • ラットは毒のために食欲をコントロールする

Rats control appetite for poison
8-Aug-2011
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2011-08/uou-rca080811.php
齧歯類が食べ物である有毒植物との競争をどうやって生き延びているか
アメリカ南西部の砂漠に住むモリネズミにとって生きることは過酷である。食べ物としての植物は少なく、しかもその植物は齧歯類や昆虫やその他の動物対策のために毒を作る。ユタ大学の研究によればラットが中毒を避けるためにいろいろな植物を少しだけ、時間をあけて食べ、手に入る場合はたくさんの水を飲む。Functional Ecologyに8月9日オンライン発表された。
モリネズミにはジュニパー(ヒノキ科の常緑樹)のみを食べる種と何種類もの植物を食べる種があり、両者を比較したところいろいろ食べる方が毒素摂取制限には有効であることを発見した。ジュニパーのスペシャリストはジュニパー毒素を代謝する肝臓の酵素をたくさん作ることで対応し、食べる量や水の量は変更しない。一方ジェネラリストは多くの毒素を代謝する酵素をそれぞれ少ししか持たないが食行動を変えて対応している。